HPSEOコラム

【保険診療】クリニックのHPページ構成と掲載すべき内容について解説!

By 2026年7月2日No Comments

こんにちは、クリニックWeb総合研究所代表の濱谷です。

保険診療のクリニックを開院したり、HPをリニューアルしようと考えていたりする院長先生や担当者の方から「HPはどういう構成や内容を掲載したら良いのか」というご質問を頂くことがよくあります。

もちろん診療科によって微妙に異なりますが、特に保険診療においてはおおよそホームページで外さない「共通の型」というのがある程度決まっているので、今回は私がよく伝えていることなどをお伝えしていきます。

保険診療HPの基本ページ構成(サイトマップ例)

まず結論として、保険診療における基本的なサイトのページ構成の型をこちらに記載していきます。

必須ページ

まず保険診療のクリニックにおけるHP内コンテンツとして基本となるページ(必須ページ)が以下の通りです。

・トップ
・診療案内
・初めての方へ(または初診案内)
・医院紹介(医師紹介、スタッフ紹介はこちらに含めても可)
・医師紹介(可能であればスタッフも紹介)
・アクセス
・予約
・掲示事項(施設基準・加算等)

ここからさらに各クリニック毎に特色を出していくのはもちろん良いですが、この基本的な型を先に固めておくと、ページ構成がブレにくいのでオススメです。

必須ページの作成は言い換えると「患者の不安を消すページ」を作成していくイメージです。
ただ、一部それ以外に「制度上抜けると困るページ」があります。

掲示事項のウェブサイト掲載義務について

令和6年度(2024年度)の診療報酬改定に伴い、「保険医療機関及び保険医療養担当規則等」が改正されました。この改正により、従来は院内掲示(紙の掲示)のみが義務づけられていた書面掲示事項について、ホームページを保有している保険医療機関では原則としてウェブサイトへの掲載も義務化されています。

経過措置期間が2025年5月31日に終了しているため、現時点ではすでに掲載が必須の状態です。掲載がなされていない場合は、行政指導の対象となる可能性があり、診療報酬の算定に影響が出るケースも考えられます。

参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/15-3.pdf

また、医療DX関連の体制やオンライン資格確認に関する周知は、見やすい場所・ウェブサイト等への掲示が要件に含まれるケースがあります。
参考:令和6年度診療報酬改定の概要

推奨ページ

必須ページを固めたら、次におすすめなのはこの5つのページです。
特に症状別ページやコラムページについてはSEOの面でも他院との差がつく有効なページとなります。

よくある質問(FAQ):問い合わせ削減とSEOの両方に効く
・症状別ページ:検索意図に合わせて作る
・お知らせ:臨時休診・担当医変更・感染症対応
・採用ページ:採用導線が必要なら
・コラムページ:SEO集患対策として

ただし、お知らせページに関しては、長らく更新されずに放置されているとかえってマイナスイメージがつく可能性はありますので、こまめに更新ができない場合は無理に入れる必要はありません。

※症状別ページは、医療広告ガイドライン上の“言い切り”に注意が必要です。
参考:医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針


各ページに載せるべき内容

ここからは、各ページに掲載すべき内容をページ別に解説していきます。
ポイントは「患者が不安になる前に、先回りして答える」ことです。

(1)トップページ

まずはトップページに関して解説していきます。

トップページに掲載すべき情報

  • クリニックの理念や特徴:どのような理念で診療にあたっているか、何を大切にしているか。長文にする必要はなく、1〜3文で端的に伝える
  • 診療科目と対応範囲:「内科・消化器内科」「皮膚科・アレルギー科」等。患者さんが「自分の症状はここで診てもらえるか」を瞬時に判断する材料
  • 診療時間・休診日:曜日ごとの診療時間を一覧表で掲載。休診日も明記する
  • アクセス情報の概要:所在地、最寄り駅からの所要時間(「○○駅徒歩3分」等)、駐車場の有無。詳細はアクセスページに誘導する形でも可
  • 予約導線:電話番号(タップで発信)、Web予約ボタン、LINE予約(対応している場合)

トップページでのポイント

①アクセス情報の見せ方

トップページのアクセス欄では、地図だけでなく「最寄り駅から徒歩何分」「駐車場の有無と台数」「入口の段差の有無(バリアフリー対応)」まで触れると、来院前の不安が軽減されます。外観の写真を掲載しておくと「この建物で合っているか」の確認にもなります。さらに踏み込む場合は、最寄り駅からの道順を写真付きで紹介する方法も効果的です(詳細はアクセスページで対応する形でも問題ありません)。

②予約方法(電話/WEB/LINE等)に関して

予約方法は「選ばせすぎない」ことが基本です。電話・Web予約・LINE・メールフォーム等の手段が多すぎると、患者さんがどれを使えばいいか迷い、かえって離脱の原因になります。

保険診療クリニックで多い基本のパターンは以下の形です。

  • 今すぐ受診したい方→電話(タップで発信)
  • 事前に予約したい方→Web予約ボタン

この2つの導線をファーストビューに並べて配置し、患者さんが迷わず行動に移せる設計が効果的です。LINE予約を導入している場合は3つ目の選択肢として配置できますが、選択肢が3つを超えると判断に迷う傾向があるため注意が必要です。(来院後にLINEへ誘導し、定期的にこちらから発信できる関係性を形成するのは1つのポイントです)

③スマートフォンのファーストビュー(HPを開いた瞬間に表示される画面領域)の設計

クリニックHPへのスマートフォンからのアクセスは多く、そのため、スマートフォンで開いた際のファーストビュー(スクロールせずに見える画面)に何を置くかが来院率に影響します。
ファーストビューに置くべき情報は以下の3点です。

  • 診療科×地域:「○○市の内科」「○○駅の皮膚科」のように、患者さんが「自分が探しているクリニックだ」と瞬時に認識できる情報
  • 予約ボタン・電話ボタン:すぐに行動に移せるCTAボタンをファーストビュー内に配置する。電話番号はタップで発信できる設定(tel:リンク)にする
  • アクセスの強み(該当する場合):「○○駅から徒歩2分」「駐車場20台完備」等、立地が強みになる場合はファーストビューで訴求する

(2)診療案内ページ:クリニックが提供する診療サービスの全体像を伝える

診療案内ページは、クリニックがどのような診療サービスを提供しているかの全体像を伝えるページです。「症状」だけでなく、診療科目、対応疾患、対応している検査、健康診断、予防接種、各種検診など、クリニックの診療範囲全体をカバーする構成が望ましいです。

このページの役割は単に「できること」を羅列することではなく、患者さんが「自分の困りごとはこのクリニックで対応してもらえるか」を判断できる情報を提供することにあります。

診療案内ページに含めたい情報

具体的に診療案内ページに含めたい情報について記載していきます。
(※診療科によって必要な内容は変化します)

① 診療科目(標榜科目)

自院が標榜している診療科目を明示します。
「内科・消化器内科」「皮膚科・アレルギー科」のように、標榜科目を正確に記載することが基本です。標榜していない科目を記載すると医療法上の問題になるため、実際の届出内容と一致させることが重要です。

② 対応する疾患・症状の案内

各診療科目で対応している疾患や症状の一覧を掲載します。
ここでのポイントは、疾患名の羅列だけでなく「こんな症状がある場合は当院にご相談ください」という受診の目安を示す形が効果的だということです。

たとえば内科であれば以下のような構成です。

  • 生活習慣病:高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)等の管理・治療
  • 急性症状:発熱、咳・のどの痛み、腹痛、下痢・嘔吐、頭痛等
  • 消化器疾患:胃痛、逆流性食道炎、便秘、ピロリ菌検査等(消化器内科を標榜している場合)
  • アレルギー疾患:花粉症、喘息、じんましん等(アレルギー科を標榜している場合)

可能であればまた後述しますが、各疾患・症状ごとに個別の詳細ページを作成すると、SEO効果が大きく高まります。
「○○市 高血圧」「○○区 花粉症」のような疾患名+地域名の検索に個別ページで対応でき、検索流入の面を広げられます。診療案内ページは各個別ページへの「入口」としてリンクを設置する設計が理想的です。

③ 健康診断・各種検診

クリニックで対応している健康診断や検診を案内します。
保険診療クリニックでは以下のような項目が該当するケースが多いです。

  • 特定健診:対象者(40歳以上の国保加入者等)、費用(自治体の助成の有無)、実施時期
  • 企業健診(雇入時健診・定期健診):対応の可否、検査項目、費用、所要時間
  • がん検診:対応している検診の種類(大腸がん検診、肺がん検診等)と費用
  • 自費健診(人間ドック等):検査項目と費用一覧

健診関連の情報は「○○市 健康診断」「○○区 特定健診」等の検索に対応でき、集患に直結する項目です。
健診シーズン(5〜6月、9〜11月)には検索ボリュームが増加するため、情報を充実させておく価値が高い領域です。

④ 予防接種

対応している予防接種の種類、費用、予約方法を案内します。以下は例です。

  • インフルエンザワクチン:接種開始時期、費用、自治体の助成対象者と助成額、予約方法
  • 肺炎球菌ワクチン:対象者(65歳以上等)、費用、助成の有無
  • その他の予防接種:帯状疱疹ワクチン、MRワクチン等、対応しているものを記載

予防接種は季節性があり(インフルエンザは10〜12月に検索急増)、シーズン前に情報を更新しておくことで検索流入を取り込めます。費用と予約方法を明記しておくと、問い合わせを減らす効果もあります。

⑤ 対応している検査

クリニックで実施可能な検査の一覧と、各検査で何が分かるかの簡単な説明を掲載します。
患者さんにとって「どんな検査ができるクリニックか」は来院先を選ぶ判断材料のひとつです。
特にエコーや骨密度検査など、対応していないクリニックもある検査については、対応可能であることを明記することで差別化に繋がります。

  • 血液検査(血糖値、HbA1c、コレステロール、肝機能、腎機能等)
  • 尿検査
  • 心電図
  • レントゲン
  • エコー(腹部、頸部、心臓等、対応しているもの)
  • 骨密度検査(対応している場合)
  • アレルギー検査(対応している場合)
  • ピロリ菌検査(対応している場合)

⑥ 自費診療メニュー(該当する場合)

保険診療が主体のクリニックでも、予防接種、健診、診断書作成、にんにく注射等の自費メニューを提供しているケースは多いです。

自費診療の内容と費用を明確に記載したセクションまたは個別ページを設けておくと、「○○市 インフルエンザ予防接種 費用」等の検索にも対応できます。
費用は税込み表示で、「保険適用外のため全額自費となります」の注記を添える形が患者さんにとって分かりやすいです。

⑦ 専門医療機関への紹介体制

精密検査や専門的な治療が必要な場合に、どのような病院に紹介できるかを記載しておくと、「いざという時も対応してもらえる」安心感に繋がります。
「○○病院、○○医療センターと連携しています」のように、具体的な連携先を記載できる場合はより効果的です。

⑧ 費用の目安

保険診療であること、自己負担割合(1割・2割・3割)によって費用が変動する旨を記載します。
可能であれば初診の目安費用(「3割負担の場合、検査内容にもよりますが○,○○○〜○,○○○円程度が目安です」等)を記載しておくと、費用への不安から来院を見送る患者さんを減らす効果があります。

⑨ よくある質問へのリンク

後述するFAQページを設けている場合は、診療案内ページからリンクで誘導する形が効果的です。
「この症状で受診してもいいですか?」「予約なしでも受診できますか?」等の疑問にFAQページで答えておくと、問い合わせ削減にも繋がります。

また、全体に言えることでもありますが、医療広告ガイドラインの観点では、「治ります」「改善します」等の効果を断定する表現は使用できません。「○○の治療に対応しています」「症状の緩和を目指した治療を行います」のように、事実に基づいた記述に留めることが重要です。

(3)初診案内ページ:問い合わせ削減に直結する情報

初診案内は、保険診療HPの中で「問い合わせ削減」に最も効くページで、患者の初診前の不安の軽減効果だけでなく、問い合わせを減らすという業務効率化の観点でも設置することで役に立つページです。

初診案内に入れたい
・ご来院前に確認(発熱等の特別対応がある場合は最上部に固定)
・持ち物(マイナ保険証/健康保険証、各種受給者証、お薬手帳、紹介状など)
・受付〜診察〜会計の流れ
・予約の有無と受付時間のルール
・遅刻・キャンセルの扱い
・支払い方法
・個人情報の取り扱い(リンク:プライバシーポリシー)

初診案内のページ構成等については、別記事にて詳しく解説していますのでそちらも参考にしてみてください。

(4)医院紹介ページ:院内の雰囲気と安心感を伝える

医院紹介ページは「このクリニックに行ったらどんな場所なのか」を伝えるページです。テキストだけでなく写真の活用が効果的で、院内の清潔感や設備の充実度が視覚的に伝わることで来院ハードルが下がります。

【医院紹介ページに含めたい情報】

理念・診療方針
クリニック全体の診療方針を簡潔に(「患者さんに寄り添った丁寧な診療を心がけています」等)

院内写真
入口、受付、待合室、診察室、検査室等。患者さんの来院動線に沿った写真を揃えると、来院前に院内を追体験できる。清潔感が伝わる明るい写真が効果的

設備紹介
検査機器や設備の写真と「何を調べるための検査か」の患者向け解説。記載にあたっては、対応可能な検査・治療の事実を記述し、「痛みが消えます」「必ず見つかります」等の効果を断定する表現は避ける

感染対策
院内の感染対策への取り組み(換気、消毒、動線分離等)の案内

バリアフリー対応
入口のスロープ、手すり、車椅子対応トイレ、エレベーター等の有無

キッズスペースの有無
小児の患者さんが来院する診療科では、キッズスペースの写真と案内が保護者の安心感に繋がる

 

(5)医師紹介ページ:E-E-A-Tの強化と「この先生に診てもらいたい」の醸成

医師紹介ページは、患者さんにとっては「どんな先生が診てくれるのか」を確認する安心材料であり、検索エンジンにとってはE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の評価対象となるページです。
保険診療クリニックでは、派手な演出よりも事実を丁寧に提示する構成が信頼感を高めます。

医師紹介ページに含めたい情報

【医師紹介ページに含めたい情報】

院長写真
清潔感のある自然な表情の写真。写真があるのとないのとでは安心感に大きな差

経歴
出身大学、主な勤務歴を簡潔に記載

専門領域と資格
取得している専門医資格を記載する(記載ルールについては後述)

所属学会
所属している学会名を列記

診療で大切にしていること
院長自身の言葉で診療方針やメッセージを記載する。「丁寧な説明を心がけています」「些細な不調でも気軽に相談できるクリニックを目指しています」等、人柄が伝わる文章が「この先生に診てもらいたい」の決め手になる

複数の医師が在籍している場合は、全員の紹介を掲載する形が望ましいです。
非常勤医師についても、診療日と専門分野を記載しておくと患者さんが「どの曜日にどの先生が担当するか」を把握できます。

専門医資格・経歴の表記ルール

クリニックのHP(ウェブサイト)は医療広告ガイドラインの規制対象となっており、注意点として、専門医資格を掲載する際は以下のルールを守る必要があります。

広告可能(掲載可能)な専門医資格の条件

HPに専門医資格を掲載する場合、厚生労働省が認めた団体が認定する資格のみが広告可能です。具体的には以下の2パターンがあります。

  • 日本専門医機構が認定する専門医:広告可能(今後の標準的な形式)
  • 各学会が認定する専門医:経過措置として広告可能。ただし、基本領域(内科・外科・小児科・皮膚科・整形外科等)の学会認定専門医は2028年度末で経過措置が終了する予定(※ただし、2028年度末までに取得・更新した医師は、更新による認定期間の開始日から起算して5年間に限り、引き続き広告可能とされる見通しです。なお詳細は確定情報ではなく、厚生労働省・日本専門医機構の最新告示で確認してください。)

専門医資格の記載形式のルール

専門医資格の記載には「認定団体名」と「資格名」の両方を明示する必要があります。

記載例判定理由
日本内科学会認定 総合内科専門医○ 適切認定団体名+資格名の両方が明示されている
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医○ 適切同上
内科専門医△ 不十分認定団体名がない。どの団体が認定した資格かが不明確
○○の名医× NG主観的な評価表現。広告不可
○○のスペシャリスト× NG主観的な評価表現。広告不可

厚生労働省が認めていない民間団体の認定資格については、広告可能な専門医資格には該当しません。
掲載する場合は「○○協会認定○○資格(厚生労働省が定める広告可能な専門医資格には該当しません)」のように補足を加えるか、掲載自体を見送る判断が安全です。

経過措置の終了時期や広告可能な資格の最新リストは変更される可能性があるため、厚生労働省の「医療法における病院等の広告規制について」のページで最新情報を確認する形が望ましいです。

経歴の記載で広告可能(掲載可能)な項目

医療広告ガイドラインでは、医療従事者の「略歴」として以下の項目の広告が認められています。

  • 生年(生年月日)
  • 出身大学・出身校
  • 学位(医学博士等)
  • 医師免許取得年
  • 勤務歴(病院名・診療科)

これらの事実情報を正確に記載する分には問題ありませんが、「○○分野の第一人者」等の主観的な評価を加えると誇大広告に該当する可能性があるため注意が必要です。

(6)掲示事項ページ

令和6年度(2024年度)の診療報酬改定に伴い、「保険医療機関及び保険医療養担当規則等」が改正されました。この改正により、従来は院内掲示(紙の掲示)のみが義務づけられていた書面掲示事項について、ホームページを保有している保険医療機関では原則としてHPへの掲載も義務化されています。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/15-3.pdf

また、医療情報取得に関する掲示(オンライン資格確認体制、取得・活用して診療する旨等)が施設基準に含まれることが示されています。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001219984.pdf

ウェブサイトに掲載が必要な主な項目例(医科診療所の場合)

以下、掲示事項ページの掲載例です。

掲載すべき項目は、自院が届出・算定している施設基準や加算によって異なります。多くの保険診療クリニックで該当する主な項目を以下に整理します。

  • 明細書の発行に関する事項:「当院では診療報酬の算定項目がわかる明細書を無料で発行しています」等の案内
  • 医療情報取得加算に関する事項:オンライン資格確認を行う体制を有していること、受診歴・薬剤情報等を取得・活用して診療を行うことの掲示
  • 医療DX推進体制整備加算に関する事項:医療DX推進の体制に関する情報の掲示(電子処方箋、電子カルテ情報共有サービスへの対応状況等)
  • 一般名処方加算に関する事項:一般名処方を行っていること、患者さんが薬局でジェネリック医薬品を選択できることの案内
  • 外来感染対策向上加算に関する事項:院内感染防止対策の体制に関する掲示
  • 機能強化加算に関する事項(かかりつけ医機能の掲示):かかりつけ医としての診療体制、他の医療機関との連携体制等
  • 保険外負担に関する事項:診断書料、予防接種費用、健診費用等、保険適用外の費用に関する案内
  • 地域包括診療加算に関する事項:算定している場合、24時間の対応体制や健康管理に関する情報の掲示

上記は一般的なクリニックで多く該当する項目の例です。自院が届出・算定している施設基準の全体像については、地方厚生局への届出内容を確認の上、漏れなく掲載する形が望ましいです。

また、令和8年度(2026年度)の診療報酬改定でも掲載項目の追加や変更が行われているため、改定のタイミングで掲載内容を見直す運用を取り入れると安心です。

更新フローを決める(改定・届出変更・院内ルール変更)

更新が回らない最大の原因は「誰がやるか不明」なことです。院長が迷わないよう、掲示事項の更新フローを固定します。

掲示事項の更新フロー(手順)
1)変更トリガーを定義(診療報酬改定/届出変更/診療時間・体制変更)
2)更新担当者を決める(例:事務長)
3)監修者(最終承認)を決める(例:院長)
4)更新日を入れる(ページ上部)
5)更新ログを残す(変更前後・日付・担当者)

更新ログ(フォーマット例)

更新日変更箇所変更内容(要約)更新担当承認者
2026-02-01掲示事項 > 施設基準加算Aを追加事務長院長
2026-02-01トップ > 診療時間臨時休診を反映受付院長

基本ページに加えて検討したい追加ページ

これまでお話ししてきた基本のページを整備した上で、集患力を高めるために検討したい追加ページについて以下まとめていきます。

① 疾患・症状の個別ページ

「診療案内」ページに疾患の一覧を載せるだけでなく、各疾患・症状ごとに個別のページを作成すると、SEO効果が大きく向上します。
たとえば内科であれば「高血圧」「糖尿病」「インフルエンザ」「花粉症」「健康診断」、皮膚科であれば「ニキビ」「じんましん」「アトピー性皮膚炎」「水虫」のそれぞれに1ページずつ作成する形です。

疾患個別ページは追加ページの中で集患への影響度が大きい項目です。
理由は「○○市 高血圧」「○○区 ニキビ 皮膚科」のような「疾患名+地域名」のキーワードで検索する患者さんに、個別ページがなければリーチがなかなかできないためです。
診療案内ページに「高血圧、糖尿病、脂質異常症……」と羅列しているだけでは、検索エンジンとしては「このページが高血圧の専門的な情報を提供している」と判断しにくく、検索結果で上位に表示される可能性が低くなることが想定されます。

疾患個別ページの推奨構成

各ページは以下の構成で作成すると、患者さんの疑問に一貫して答えられ、SEO的にも充実したコンテンツになります。

  1. こんな症状はありませんか?(チェックリスト形式):患者さんが「自分のことだ」と感じる日常的な表現で症状を列挙する。たとえば高血圧のページであれば「健診で血圧が高いと指摘された」「頭痛やめまいが続く」「薬を飲んでいるが血圧が安定しない」等
  2. 疾患の概要と原因:患者さん向けに分かりやすい言葉で疾患の基本知識を解説する。専門用語は初出時に補足説明を加える
  3. 放置するとどうなるか:受診動機を喚起する情報。「高血圧を放置すると脳卒中や心疾患のリスクが高まります」等。ただし過度に不安を煽る表現は避け、事実ベースで記述する
  4. 受診の目安:「こんな場合は早めに受診を」の具体的な基準
  5. 当院での検査・治療:どのような検査・治療に対応しているかを具体的に記載する。「当院では血液検査、心電図、胸部レントゲン等を実施し、原因の特定と適切な治療方針の決定を行っています」等
  6. 費用の目安:「保険3割負担の場合、初診料+検査費用で○,○○○〜○,○○○円程度が目安です(検査内容により異なります)」
  7. FAQ(よくある質問):その疾患に関する質問を3〜5問。「この症状で受診してもいいですか?」「治療期間はどのくらいですか?」等。

お知らせ・ブログ

休診情報、診療体制の変更、季節の健康情報等を発信するページです。
定期的に更新することでHPの鮮度が保たれ、SEOにもプラスに働きます。GBPの投稿と連動させて同じ内容をHP上にも掲載すると、情報の一貫性が保てます。

よくある質問(FAQ)

受付に寄せられる質問をまとめたページです。
「初診は予約が必要ですか?」「駐車場はありますか?」「クレジットカードは使えますか?」「子供も診てもらえますか?」等の質問を掲載しておくと、患者さんの疑問を来院前に解消できます。
専門的にはなるのでこちらは聞き流してもらっても大丈夫ですが、よくある質問については、FAQSchema構造化データを各質問に実装すると、Google検索結果にリッチリザルト(検索結果の直下にFAQが展開表示される形式)として表示される可能性があり、クリック率の向上に繋がります。WordPressを使用している場合は、FAQスキーマに対応したプラグインで実装できます。

FAQの更新と追加

FAQページは一度作ったら終わりではなく、受付に新しい質問が寄せられるたびに追加していく運用が効果的です。
月に1回「今月よく聞かれた質問」を1〜2問追加するだけでも、半年で10〜20問のFAQが蓄積されます。
質問の数が増えるほど、患者さんの疑問がHP上で解消される確率が上がり、問い合わせの削減効果が大きくなります。

自費診療ページ(該当する場合)

保険診療が主体のクリニックでも、予防接種、健康診断、各種検査、診断書作成等の自費メニューを提供しているケースは多いです。
自費診療は費用が患者さんの全額負担になるため、事前に「何にいくらかかるか」が分からないと来院を見送られやすい傾向があります。
費用と内容を明記したページを設けておくことで、費用への不安を解消し、来院率を高める効果があります。

自費診療ページに含めたい情報

項目記載すべき内容
予防接種対応しているワクチンの種類(インフルエンザ、肺炎球菌、帯状疱疹等)、費用(税込)、自治体の助成対象者と助成額、予約方法、接種可能な時期
健康診断(自費)検査項目、費用、所要時間、予約方法。企業健診(雇入時健診・定期健診)に対応している場合はその旨も明記
各種検査(自費)アレルギー検査、ピロリ菌検査、性感染症検査等、自費で実施可能な検査の内容と費用
各種証明書・診断書一般診断書、生命保険用診断書、通院証明書等の種類と費用
その他の自費メニューにんにく注射、プラセンタ注射、AGA治療等(提供している場合)の内容と費用

費用は税込み表示で統一し、「保険適用外のため全額自費となります」の注記を添える形が患者さんにとって分かりやすいです。自治体の助成制度が適用される場合は「○○市にお住まいの65歳以上の方は助成により○,○○○円で接種可能です」のように具体的に記載すると、対象者の来院率が上がります。

自費診療ページは「○○市 インフルエンザ予防接種 費用」「○○区 健康診断 料金」等のキーワードでの検索にも対応できるため、SEO上の効果もあります。

採用情報ページ(必要であれば)

看護師・医療事務等のスタッフ採用を行う場合は、HPに採用情報ページを設けておくと、求人サイト経由だけでなくHP経由での応募も見込めます。
求人サイトに掲載料を支払い続けるよりも、HP上の採用ページは費用がかからず継続的に機能する採用チャネルです。

採用情報ページに含めたい情報:

  • 募集職種と雇用形態:常勤・パート、看護師・医療事務等
  • 仕事内容:日常の業務内容を具体的に記載する。「受付業務、会計、電話対応、カルテ管理等」のように
  • 勤務条件:勤務時間、勤務日数、給与・時給の目安、社会保険の有無、交通費支給の有無
  • 院長からのメッセージ:「こんな方と一緒に働きたい」「当院ではこんな雰囲気で仕事をしています」等。クリニックの価値観が伝わるメッセージ
  • 働く環境の紹介:院内の写真、スタッフの集合写真(掲載許可を得た上で)。「実際に働いている人の雰囲気」が分かると応募への心理的ハードルが下がる
  • スタッフの声(掲載可能な場合):「入職の決め手」「働いてみて感じること」等の簡単なコメント
  • 応募方法:電話、メール、応募フォーム等の連絡先と応募手順

採用ページを充実させると、「○○市 看護師 求人 クリニック」「○○区 医療事務 募集」等のキーワードで検索した求職者にもリーチできます。
求人サイトから自院のHPに遷移した求職者が「採用ページが充実している」と感じると、印象が良くなり応募率の向上にもつながりやすいです。

プライバシーポリシー

個人情報の取り扱いについて記載するページです。Web予約フォームや問い合わせフォームを設置しているHPでは、個人情報保護法の観点からプライバシーポリシーの掲載が求められます。

プライバシーポリシーに含めたい主な項目:

  • 個人情報の利用目的(診療、予約管理、請求事務等)
  • 個人情報の第三者提供に関する方針(原則として本人の同意なく第三者に提供しない旨。ただし法令に基づく場合等の例外を明記)
  • 個人情報の安全管理措置
  • 個人情報の開示・訂正・削除に関する対応方法
  • お問い合わせ窓口(個人情報に関する問い合わせ先)

プライバシーポリシーのテンプレートは、医師会や弁護士が監修したものがインターネット上で公開されている場合もありますので、参考にしながら自院の状況に合わせて作成する形が効率的です。

ページ構成のまとめ

分類ページ目的
基本ページ(患者の不安解消)トップ第一印象+各ページへの導線
診療案内対応疾患・症状の全体像
初めての方へ初診の不安解消
医師紹介「どんな先生か」の安心感
医院紹介院内の雰囲気と設備の安心感
アクセス場所と行き方の案内
予約来院アクションへの誘導
基本ページ(制度対応)掲示事項施設基準・加算のウェブ掲示義務への対応
追加ページ(集患力強化)疾患・症状の個別ページSEO対策の核。疾患名×地域名での検索に対応
お知らせ・ブログHP鮮度の維持+季節情報の発信
よくある質問(FAQ)来院前の疑問解消+リッチリザルト獲得
自費診療ページ予防接種・健診・検査等の自費メニューの案内
採用情報HP経由でのスタッフ採用
プライバシーポリシー個人情報保護への対応

まず基本ページで骨格を固め、その上で疾患別ページやFAQ等の追加ページを段階的に充実させていく流れが、制作の優先順位としてお勧めです。

医療広告ガイドラインでNGになりやすい表現と、言い換え例

医療広告ガイドラインは「患者が誤認しないためのルール」です。医療機関のウェブサイトでも、誇大、比較優良、品位を損ねる表現などが問題になり得ます。
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index_00003.html

また、口コミ・体験談の扱いも論点になりやすく、取捨選択して強調すると虚偽・誇大に当たり得ます。
参考:医療広告ガイドラインに関するQ&A

注意:リスクが高い表現例
・「絶対」「必ず」「100%」などの断定
・「地域No.1」「日本一」「最高」などの最上級・比較優良
・効果を保証するような表現、ビフォーアフターの強調(要件を満たさない場合)
・口コミを抜粋・強調

よくあるNG:誇大・比較優良・体験談の扱い

NGの典型

  • 「必ず治ります」「絶対に改善」→治療効果の保証に見える
  • 「県内一」「日本一」→比較優良に該当し得る(事実でも禁止される場合がある)
  • 口コミを選別して掲載→虚偽・誇大と判断され得る

安全な方向性

  • 「当院では〜を行っています(事実)」
  • 「〜の検査/治療が可能です(範囲)」
  • 「症状や状態により対応が異なります(条件)」
  • 「必要に応じて専門機関へご紹介します(受診勧奨)」

NG表現→OK言い換え表(比較・誇大・体験談)

NG表現OK言い換え(例)補足注意点
「絶対に治る」「症状や状態により治療方針が異なります」効果保証に見せない
「地域No.1」「地域の皆さまのかかりつけとして〜」比較優良は避ける
「最新治療で確実」「〜の検査/治療に対応しています」“最新”は根拠提示が必要
「口コミで大人気」「ご不明点はお問い合わせください」口コミ強調は慎重に
「キャンペーン実施中」(保険診療中心なら原則避ける)誘引性・品位に注意

症状ページでの注意:できること/できないことの線引き

症状ページはSEOに効きますが、同時に指摘も起きやすい場所です。
「原因の断定」「治癒保証」「過度な誘引」を避け、患者の安全を最優先にします。

症状ページの安全テンプレ(例)
・よくある症状の説明(一般向け)
・受診の目安(いつ来るべきか)
・当院で対応できる範囲(事実)
・当日対応の可否(必要なら“事前連絡”)
・緊急性が高い場合の案内(救急等)

よくある質問(FAQ)

Q1: 保険診療のクリニックHPに必須のページは何ですか?

A: 実務上は、トップ/診療案内/初診案内/医院紹介/医師紹介/アクセス/予約/お問い合わせに加え、掲示事項(施設基準・加算等)を分かりやすく掲載するのが重要です。

Q2: 掲示事項(施設基準・加算等)はHPのどこに載せればよいですか?

A: フッター部分がおすすめです。通知でも、掲示事項を原則ウェブサイトに掲載する考え方が整理されており、必ずしもグローバルメニュー(メインメニュー)に設置する必要はありません(ホームページを持たない場合等を除く)。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/15-3.pdf

Q3: 医療広告ガイドラインで違反しやすい表現は?

A: 誇大(断定)比較優良体験談/口コミの扱い、(要件を満たさない)ビフォーアフターなどです。事実ベースにし、誤認を招く表現を避けます。
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index_00003.html

Q4: 保険診療と自由診療が混在している場合、HP表記で気をつけることは?

A: 保険/自由の区別を明確にし、料金だけでなく注意点やリスク情報の出し方を整理します。小さな文字やリンク奥に隠す設計は避け、誰でも読める形にします。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000927804.pdf

Q5: クリニックHPでSEOに効きやすいページはどれですか?

A: 診療科×地域の下層ページ、症状別ページFAQページ、コラムページです。トップは導線最適化に徹し、下層で検索意図を満たして回遊・予約につなげます。


まとめ:院長が押さえる優先順位と、次の一手

最後に、クリニックのHP ページ構成を“迷わず進める”ための優先順位をまとめます。

優先順位は「必須情報→法令対応→集患コンテンツ」

  1. 必須情報(患者が迷わない):診療時間・アクセス・予約導線(モバイルファースト)
  2. 法令/制度対応(リスクを下げる):掲示事項(施設基準・加算等)の整備/NG表現の除去
  3. 集患コンテンツ(伸ばす):症状ページ・FAQで検索流入と問い合わせ削減を伸ばす

制作会社に依頼する場合の要件(RFP)

  • 更新運用(自院での更新が可能か※必ず自院でも更新ができるようにしておきましょう
  • 医療広告ガイドライン配慮のレビュー体制(誰が最終責任を持つか)
  • HPのアクセス解析の実装可否(アクセス数集計やコンバージョン数集計など)
Web集患全般のご相談について: クリニックWeb総合研究所では、保険診療に特化した集患支援を行なっています。まずはお気軽にご相談ください。 無料相談のお申し込みはこちら

参考資料(外部参照先)

執筆者
濱谷 洸旭
クリニックWeb総合研究所代表/株式会社trendPlus CEO

2017年にWeb広告事業にて独立。金融Webメディアを立ち上げ、開設から半年で月間18万PV達成。その後、個人事業から上場プライム企業に至るまで数十社のWeb集客を支援。多くのビッグワードで上位を獲得。2019年に法人化し、株式会社trendPlusを設立。 自身が中小企業診断士の資格を保有しており、専門的なWeb集客の面と総合的な経営面でのサポートができることを強みに持ち、とにかく「結果(成果)」にこだわる支援を行うことを重視している。 2026年に自身のこれまでの知識・経験を活かし、保険診療のクリニック集患に特化した支援サービスである「クリニックWeb総合研究所」を立ち上げる。