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【保険診療】クリニックのGoogle広告でよくある失敗と改善ポイントを解説

By 2026年8月5日No Comments

こんにちは、クリニックWeb総合研究所代表の濱谷です。
今回は、「保険診療のクリニックにおけるGoogle広告でよくある失敗と改善ポイント」について解説していきます。

まず初めに、
「Google広告を始めたものの、新患が増えた実感がない」
「毎月の広告費が適正なのかわからない」
といった声はよく聞きます。

Google広告で成果が出ない原因は大きく分けて「設定の問題」「運用の問題」「効果測定の問題」の3つに整理できます。
いずれもクリニック特有の落とし穴があり、一般的な広告運用のノウハウだけでは見落としやすいポイントです。

特に保険診療のクリニックの場合、自費・美容系クリニックとは費用対効果の構造が根本的に異なります。
保険診療の場合、クリック単価は自費系と比較して安い傾向にある一方、1回あたりの診療単価も低いため、「かかりつけ化による長期での回収」を前提とした設計が求められます。

このことを理解せずに運用すると、短期的な費用対効果だけを見て「効果がない」と判断してしまうケースがあります。

本記事では、保険診療クリニックに特化して、Google広告(リスティング広告)でよくある8つの失敗パターンとその具体的な改善策を解説します。
自院で運用している場合も、広告代理店に外注している場合も、セルフチェックに使える内容ですので、ぜひ自院の広告運用と照らし合わせながら参考にしていただければと思います。

クリニックのGoogle広告でよくある失敗パターン【設定編】

成果が出ない原因として特に多いのが、広告の初期設定に起因するものです。
Google広告の初期値(デフォルト設定)はクリニック向けに最適化されていないため、設定を見直すだけで大幅な改善が見込めるケースが少なくありません。

失敗①:地域設定が広すぎて商圏外にも配信されている

Google広告の地域設定は、初期値が「日本全国」になっています。
このまま出稿すると、自院から数十〜数百km離れた場所のユーザーにも広告が表示され、来院する可能性のない人にクリック費用を消費してしまいます。

保険診療クリニックの商圏は、場合にもよりますが一般的には半径3〜5km程度です。
内科や小児科など日常的に受診する診療科では、自宅や勤務先からの近さが来院先の選択において最も重視される要因の一つである一方で、この範囲を超えた配信は、予算の無駄になることは少なくありません。

さらに見落としがちなのが、「所在地と関心のあるユーザー」という設定項目です。
Google広告のデフォルトでは、「指定した地域に所在するユーザー」だけでなく「指定した地域に関心を示しているユーザー」にも広告が表示されます。たとえば、「新宿 内科」と検索した大阪のユーザーにも広告が出てしまう仕組みです。

改善策:

・配信エリアを市区町村単位、または自院を中心とした半径指定(3〜10km程度)に絞る

・「所在地と関心のあるユーザー」→「所在地のユーザー」のみに変更する(Google広告の「設定」→「地域」→「目標」で変更可能)

・周辺で患者を集めたい特定のエリア(ターミナル駅の周辺、商業施設周辺など)がある場合は、そのエリアのみ入札を引き上げる設定も有効

この設定変更だけで、無駄なクリック費用が月に数千〜数万円単位で削減できるケースは珍しくありません。最初に確認すべき最優先の項目です。

失敗②:キーワード選定が広すぎる・ズレている

「内科」「皮膚科」のような診療科目名の単体キーワードだけで出稿しているクリニックは多いですが、これだけでは検索意図が多様すぎて、来院につながらないクリックに予算を消費してしまいます。
「内科」と検索する人の中には、「内科の開業資金を知りたい人」「内科の看護師求人を探している人」「内科と外科の違いを調べている学生」なども含まれるためです。

また、キーワードのマッチタイプの設定も重要です。
Google広告にはマッチタイプ(キーワードの一致条件)があり、デフォルトの「インテントマッチ(部分一致)」では、入力したキーワードと関連性があるとGoogleが判断したあらゆる検索語句に広告が表示されます。
これにより、意図しない検索語句への表示が大量に発生しているケースがあります。

マッチタイプ表示される範囲メリットデメリットクリニックでの推奨
インテントマッチ(部分一致)関連性があるとGoogleが判断した幅広い検索語句表示回数が多い無関係なクリックが増えやすい△(初期は避けるのが無難)
フレーズ一致指定したキーワードの意味を含む検索語句ある程度の広がりを保ちつつ関連性を維持表示回数はやや減る◎(基本的に推奨)
完全一致指定したキーワードと同じ意味の検索語句のみ最も無駄が少ない表示回数が限定的○(確度の高いキーワードに)

改善策:

  • 「地域名+診療科名」(例:「◯◯駅 内科」「◯◯区 皮膚科 予約」)を基本キーワードとする
  • 症状名キーワード(「腹痛 病院 ◯◯市」「発熱 クリニック 近く」)も来院意欲の高い検索語句として有効
  • マッチタイプはフレーズ一致を基本とし、確度の高いキーワードには完全一致を併用
  • 検索語句レポートを必ず定期的に確認し、広告が実際にどのような検索語句に対して表示されているかを把握する

失敗③:除外キーワードを設定していない

除外キーワードの設定は、Google広告の運用において意外と「やっていないクリニックが多い」改善ポイントです。
除外キーワードとは、「この語句を含む検索には広告を表示しない」と指定する設定であり、無駄なクリック費用を削減する効果が高い施策です。

保険診療クリニックで設定すべき典型的な除外キーワードを整理します。

カテゴリ除外すべきキーワード例理由
採用・求人系「求人」「募集」「看護師 転職」「医療事務 バイト」「年収」求職者のクリックであり、集患には無関係
口コミ・評判系「口コミ」「評判」「悪い」「やぶ医者」すでに自院を知っている患者か、ネガティブ検索
情報収集系「とは」「原因」「症状」「違い」受診意欲のない情報収集目的(SEOで対応すべき層)
競合名系他クリニックの院名意図しないクリックを防止(競合名入札は戦略的判断が必要)
自費系(保険診療クリニックの場合)「美容」「二重」「脱毛」「ヒアルロン酸」自院で提供していないサービスへのクリック防止

改善策:

  • 上記の除外キーワードを広告アカウントに設定する(キャンペーン単位またはアカウント単位で設定可能)
  • 月1回以上、検索語句レポートを確認し、新たに出現した不要な語句を追加で除外する運用サイクルを確立する
  • 検索語句レポートは、Google広告の管理画面→「キーワード」→「検索語句」から確認可能

除外キーワードの設定は「一度やれば終わり」ではなく、定期的な追加が必要な継続施策です。
この地道な作業の有無が、広告の費用対効果を長期的に大きく左右します。

失敗④:広告文が医療広告ガイドラインに抵触している・審査落ちしている

Google広告の広告文は、厚生労働省の医療広告ガイドラインとGoogleの広告ポリシーの両方に準拠する必要があります。
どちらか一方に違反しても、審査落ちやアカウント停止のリスクがあります。

NG表現(例)OK表現(例)問題の種類
「地域No.1の内科」「名医在籍」「◯◯駅徒歩3分の内科クリニック」比較優良広告・根拠のない最上級表現
「必ず治ります」「改善率95%」「丁寧な診療で症状の改善を目指します」効果の保証・誇大広告
「患者様の声:先生のおかげで…」「Web予約で待ち時間を短縮」体験談の掲載(原則禁止)
「他院で改善しなかった方もぜひ」「セカンドオピニオンにも対応」他院との比較・優位性の暗示
「最新の治療法で安心」「各種検査に対応|土曜日も診療」根拠のない「最新」「最先端」の使用
Google広告の医療カテゴリ審査とアカウント停止リスク:
Googleは医療・ヘルスケア領域の広告に対して厳格な審査基準を設けています。ガイドライン違反の広告文を繰り返し入稿すると、広告の不承認にとどまらず、広告アカウント全体の停止に至るケースもあります。
アカウントが停止されると、過去の運用データも失われるため、回復コストは甚大です。広告文の作成にあたっては、事前にガイドラインとの照合を行う運用を徹底することが重要です。

改善策:

  • 広告文の作成時に、上記のNG/OK対比表でガイドラインとの照合を行う
  • 訴求内容は「事実に基づく情報」を軸にする(診療時間・アクセス・対応疾患・Web予約可・土日診療等)
  • 患者にとってのメリットを事実ベースで伝える表現が、結果的にクリック率も高い傾向にある(「◯◯駅徒歩2分|土曜も診療|Web予約で待ち時間短縮」など)

クリニックのGoogle広告でよくある失敗パターン【運用・LP編】

失敗⑤:広告のリンク先(LP)がトップページのまま

Google広告をクリックした患者が最初にたどり着くページ(ランディングページ、以下LP)がトップページのままになっているケースは多い失敗です。

たとえば「◯◯駅 皮膚科 ニキビ」で検索した患者が広告をクリックし、トップページに飛ばされた場合を考えてみます。
トップページには診療科の一覧やアクセス情報が並んでいますが、「ニキビ治療」の情報はどこにあるか分かりません。
患者はページ内を探し回った末、見つけられずに離脱してしまいます。

この患者が「ニキビ治療」の専用ページに直接飛べていれば、治療方針を読み、「ここに行こう」と予約に至る確率は高まっていた可能性があります。

改善策:

  • 広告グループごとにリンク先ページを分ける:
    (例)
    「◯◯駅 内科」の広告グループ→TOPページ、診療案内ページ
    「腹痛 病院 ◯◯市」の広告グループ→腹痛の症状ページ
    「インフルエンザ 予防接種 ◯◯区」→予防接種案内ページ
  • LP内に予約導線(電話番号・Web予約ボタン)を目立つ位置に配置する。特にスマートフォンでは、ファーストビューに予約ボタンがあるかどうかがコンバージョン率に影響します
  • 広告文とLPの内容の一致度を高める。広告で「Web予約で待ち時間短縮」と訴求しているのにWeb予約ボタンが見当たらない、というような不一致は離脱の原因になる

失敗⑥:広告を出しっぱなしで運用改善をしていない

Google広告を初期設定のまま放置し、「広告を出しているけど見ていない」という状態も、運用上の失敗として起こりがちです。
Google広告は「設定して終わり」のものではなく、データに基づいた継続的な改善によって費用対効果が向上していく性質のものです。

放置によって起きやすい問題は以下の通りです。

  • 検索語句レポートを確認していないため、無駄なクリックが発生し続けている
  • 季節変動(花粉症シーズン・インフルエンザシーズン等)に合わせたキーワード・予算の調整ができていない
  • 広告文のABテスト(複数の広告文を同時に出稿し、効果の高いものを残す手法)を実施していないため、最適な訴求が見つけられていない
  • 診療時間外(深夜・早朝)にも広告が配信され、来院につながらないクリックに費用を使っている

改善策:月次運用チェックリスト

チェック項目確認内容対応アクション
検索語句レポートの確認意図しない検索語句に広告が表示されていないか不要な語句を除外キーワードに追加
クリック率(CTR)の確認各広告文のCTRを比較し、効果の低い広告を特定CTRの低い広告文を改善または停止
コンバージョン率(CVR)の確認クリック後に予約に至った割合を確認CVRが低い場合はLPの内容・導線を見直し
CPA(新患獲得単価)の確認新患1人あたりの広告費を算出CPAが高すぎる場合はキーワード・入札額を調整
配信時間帯・曜日の確認クリックが多い時間帯・曜日とCVの関係を分析費用対効果の低い時間帯の配信を停止または入札を下げる
季節キーワードの調整季節に合ったキーワードを追加・削除しているか花粉症・インフルエンザ等のシーズンキーワードを追加

最低でも月1回はこのチェックを行う運用サイクルを確立することが、広告の費用対効果を維持・向上させる鍵となります。

失敗⑦:コンバージョン計測が設定されていない

「アクセスはあるのに新患が増えない」という悩みを持つクリニックの多くで、コンバージョン計測が設定されていないという問題が見つかります。
コンバージョンとは、広告をクリックしたユーザーが「予約を完了した」「電話をかけた」といった成果行動を指します。

コンバージョン計測がなければ、広告の成果は「クリック数」でしか判断できません。
しかし、クリック数が多いことと新患が増えていることはイコールではありません。
100回クリックされても予約につながっていなければ、広告費は無駄に消費されていることになります。

クリニックで設定すべきコンバージョンの例:

  • Web予約完了:予約完了ページ(サンクスページ)への到達を計測
  • 電話タップ:スマートフォンで電話番号をタップした回数を計測
  • LINE友だち追加:LINE公式アカウントの友だち追加ページへの遷移を計測

改善策:

  • Googleタグマネージャー(GTM)を使って、Web予約完了ページと電話タップのコンバージョンを設定する。GTMの設定に不慣れな場合は、HP制作会社やGoogle広告の代理店に依頼するのが現実的
  • コンバージョン計測の設定は「最初に1回やれば終わる作業」であるため、早めに対応しておくことで、以降の運用判断の精度が格段に上がる

失敗⑧:予算配分が不適切(かけすぎ or 少なすぎ)

もちろん立地や競合にもよりますが、保険診療クリニックのGoogle広告の場合、月額5〜15万円程度で十分な効果が得られるケースも多くあります。
保険診療のクリック単価は基本的に自費系クリニックと比較して安いため、少額でも一定のクリック数を確保できるためです。

保険診療はクリック単価が安い:
自費・美容系クリニックの「二重整形」「ヒアルロン酸」などのキーワードはクリック単価が1,000〜3,000円以上になることもありますが、保険診療の「◯◯駅 内科」「腹痛 病院 ◯◯市」などのキーワードは100〜500円程度ということもよくあります(※立地や競合によって左右されます)。
この単価差は、保険診療クリニックが少額の広告費でも一定の成果を出しやすい構造的な強みです。

ただし、予算が少なすぎると1日の表示回数が不足し、データが十分に蓄積されないため、改善のための分析ができなくなる点には注意が必要です。

改善策:

  • まずは月額5〜10万円程度(1日あたり2,000〜3,500円程度)で開始する
  • 2〜3ヶ月のデータが蓄積された段階で、コンバージョン数とCPAに基づいて予算の増減を判断
  • 診療時間外(深夜・早朝)の配信を停止し、診療時間中〜夕方の配信に予算を集中させる
  • 曜日別のコンバージョンデータを見て、成果の低い曜日の入札額を下げる

まとめ:Google広告の改善は小さな設定見直しから始まる

本記事では、クリニックのGoogle広告でよくある8つの失敗パターンと、その具体的な改善策を解説しました。

8つの失敗パターン 自己チェックリスト:

  • ✅ 失敗①:地域設定が広すぎて商圏外にも配信されていないか → 半径指定で絞り、「所在地のユーザー」のみに変更
  • ✅ 失敗②:キーワードが広すぎる・ズレていないか → 地域名との組み合わせを基本に、フレーズ一致を活用
  • ✅ 失敗③:除外キーワードを設定しているか → 求人系・口コミ系・情報収集系を最低限除外
  • ✅ 失敗④:広告文がガイドラインに違反していないか → NG表現チェックリストで照合
  • ✅ 失敗⑤:広告のリンク先が全てトップページのままになっていないか → キーワードに対応した個別ページをリンク先に
  • ✅ 失敗⑥:広告を出しっぱなしで運用改善をせず放置していないか → 月次チェックリストで定期的に改善
  • ✅ 失敗⑦:コンバージョン計測が設定されているか → Web予約完了・電話タップを最低限計測
  • ✅ 失敗⑧:予算配分は適切か → 月5〜10万円から開始し、データに基づいて調整

Google広告の改善は、大規模な戦略の転換ではなく、小さな設定の見直しの積み重ねによって実現されます。
地域設定を1つ変えるだけで、除外キーワードを10個追加するだけで、LPのリンク先を変えるだけで、費用対効果が大きく改善するケースは珍しくありません。

まずは上記のチェックリストで自院の広告運用を確認し、改善できるポイントがないか洗い出してみることを推奨します。すべてを一度に改善する必要はなく、チェックリストの上から順に、できるところから着手していく進め方で十分に効果が期待できます。

Web集患全般のご相談について:
Google広告の運用改善を含む、クリニックのWeb集患全般についてのご相談を承っています。
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執筆者
濱谷 洸旭
クリニックWeb総合研究所代表/株式会社trendPlus CEO

2017年にWeb広告事業にて独立。金融Webメディアを立ち上げ、開設から半年で月間18万PV達成。その後、個人事業から上場プライム企業に至るまで数十社のWeb集客を支援。多くのビッグワードで上位を獲得。2019年に法人化し、株式会社trendPlusを設立。
自身が中小企業診断士の資格を保有しており、専門的なWeb集客の面と総合的な経営面でのサポートができることを強みに持ち、とにかく「結果(成果)」にこだわる支援を行うことを重視している。
2026年に自身のこれまでの知識・経験を活かし、保険診療のクリニック集患に特化した支援サービスである「クリニックWeb総合研究所」を立ち上げる。