SNSコラム

【保険診療】失敗しないクリニックのInstagram運用代行会社の選び方について

By 2026年6月17日No Comments

こんにちは、クリニックWeb総合研究所代表の濱谷です。
今回は、保険診療のクリニック向けに「失敗しないInstagram(インスタグラム)運用代行会社の選び方」をテーマにお話ししていきます。

保険診療クリニックのInstagram運用は美容系とは別物

Instagramでは美容系・自費系クリニックのアカウントや投稿がよく目立つため、Instagramでの運用といえばそのようなイメージを持たれている保険診療のクリニックの院長先生も少なくありません。
そして、Instagram運用会社によっては美容系と同じような戦略で保険診療のクリニックのアカウントを運用するケースもあります。

ただし、Instagram運用代行会社を選ぶ前に、まず押さえておくべき前提があります。
それは「保険診療クリニックのInstagram運用と自費診療・美容クリニックのInstagram運用は、戦略が根本的に異なる」ということです。

自費診療・美容クリニックと保険診療のクリニックとでは戦略が根本的に異なる

自費診療・美容クリニックのInstagramでは、症例のビフォーアフター写真や施術メニューの訴求が中心です。
そして、その目的は「投稿を見て直接予約する」患者を獲得することであり、Instagramが集患の主要チャネルとして機能します。フォロワー数や投稿からの予約数でROIを直接計算できるのが美容クリニックのInstagramの特徴です。

一方、保険診療のクリニックのInstagramはまったく異なる役割を担います。
保険診療の患者さんの行動パターン(来院意思決定プロセス)は以下のとおりです。

  1. 「○○市 内科」「○○区 皮膚科」等でGoogle検索またはGoogleマップで検索
  2. 検索結果やマップで近場のクリニックを見つける
  3. HP、口コミ、そしてInstagramで「どんな雰囲気のクリニックか」「どんな先生が診てくれるか」を確認
  4. 安心感・信頼感を得て予約を決定

つまり、保険診療のクリニックのInstagramは、上記の患者さんの「来院意思決定プロセス」のステップ③で機能する信頼構築装置です。


Instagramの投稿を見て「初めて知って来院する」のではなく、Google検索やマップで見つけたクリニックの雰囲気を知りInstagramの投稿を通して「ここなら安心して行けそう」と背中を押される、これが保険診療におけるInstagramの実際の役割です。

この前提を理解していない代行会社は、美容クリニックと同じ感覚で「とにかくフォロワーを増やしましょう」「バズる投稿を作りましょう」といった提案をしてきます。

もちろん、フォロワー数が多いことに越したことはありませんが、保険診療クリニックではその重要性は自費・美容診療のクリニックと比べて低く、重要なことは「検索やマップでクリニック名を知った見込み患者がInstagramを見たとき、安心して来院を決められるアカウントになっているか」です。

比較項目保険診療クリニック美容クリニック
Instagramの役割検索・マップで見つけた患者の「背中を押す」信頼構築装置集患の主要チャネル(投稿→直接予約)
主力コンテンツ院内の雰囲気・院長の人柄・健康情報・スタッフ紹介など症例ビフォーアフター・施術メニュー・価格訴求
重視すべき指標アカウントの質(雰囲気が伝わるか)・プロフィールアクセス数フォロワー数・投稿からの予約数・CPA
期待すべき効果来院検討中の患者に安心感を与え、予約の後押しをする投稿を見て新規予約を直接獲得する
適した運用体制院長の素材提供+代行会社の制作力(ハイブリッド型)丸投げ型でも成立しやすい

Instagram運用代行会社を選ぶ7つの判断基準

保険診療クリニックがInstagram運用代行会社を選ぶ際に確認すべき7つの判断基準を、重要度の高い順に解説します。

①医療広告ガイドラインへの理解度

【注意】 Instagramの投稿も医療広告ガイドラインの規制対象です。そして投稿を作成したのが代行会社であっても、違反の責任はクリニック側にもあります。ガイドラインの理解度は代行会社選定の最重要かつ必須条件です。

医療広告ガイドラインでは、Instagramを含むSNS投稿においても以下の表現が禁止されています。

  • 「必ず〜」「確実に〜」等の効果保証表現
  • 「地域No.1」等の比較優良広告
  • 限定解除要件を満たさないビフォーアフター写真の掲載
  • 患者の体験談をそのまま投稿として使用すること

見極め方:初回面談で以下の質問をしてください。具体的に答えられない会社は選定対象外です。

  • 「医療広告ガイドラインに関する社内のチェック体制を教えてください」
  • 「過去に医療機関のSNS運用でガイドライン上の問題が発生した事例はありますか?その際どう対応しましたか?」
  • 「投稿前に医学的内容とガイドライン適合性をどのようにチェックしていますか?」

②医療機関(できれば保険診療クリニック)の運用実績と投稿クオリティ

医療機関のInstagram運用実績の有無を確認してください。実績がまったくない会社は、医療特有の制約やコンテンツ特性を理解していない可能性が高く、基本的に選定対象外です。

「医療機関の実績多数」という曖昧な表現には要注意です。以下の点を具体的に確認しましょう。

  • 運用しているクリニックの診療科は何か(美容だけか、保険診療を含むか)
  • 運用アカウントの実例を見せてもらえるか(アカウント名を教えてもらい、投稿内容を確認)
  • 保険診療クリニックでの具体的な成果指標(フォロワー数、HPアクセス増加、来院数等)
  • 何施設のクリニックを運用しているか(1〜2施設しかない場合は経験値が限定的)

もし可能であれば、実際に運用しているクリニックのアカウントを複数確認し、投稿の質を自分の目で確認してください。

③運用体制:「丸投げ型」vs「ハイブリッド型」

Instagram運用代行の体制は大きく2つに分かれます。結論から言えば保険診療クリニックには「ハイブリッド型」が適していると考えます。

丸投げ型:企画・撮影・投稿・分析まですべてを代行会社が担当。院内スタッフの負担は減りますが、クリニックの「実際の空気感」が反映されにくく、どのクリニックでも使えるような汎用コンテンツになりがちです。

ハイブリッド型:院内が「素材提供(写真・動画素材)」と「医学的チェック(投稿前確認)」を担当し、代行会社が「企画・制作・投稿・分析」を担当する分業体制です。

保険診療クリニックにハイブリッド型が適している理由としては、Instagramの役割が「検索やマップで見つけた患者の背中を押す信頼構築装置」であることに起因します。
患者さんがInstagramで確認したいのは、院長やスタッフの表情や対応の温かさ、待合室の雰囲気、院内の清潔感、キッズスペースの様子、受付の対応などで、「実際にこのクリニックに行ったらどんな体験が待っているか」を総合的に感じ取れるかどうかが、来院の決め手になります。

これらの「現場の空気感」は、外部の代行会社がオフィスから作れるものではありません。
院内で日常的に撮影した写真や動画、たとえばスタッフ同士の自然な会話の様子、季節のディスプレイが飾られた待合室、検査機器の使用風景、院長が患者さんに説明している姿といった素材こそが、患者さんの安心感と信頼感を生むコンテンツの源泉です。
院内が素材を提供し、代行会社がそれを見栄えよく整えて投稿する。この役割分担が、保険診療クリニックのInstagram運用においては効果的です。

初回面談で「完全丸投げで大丈夫です、先生もスタッフも何もしなくてOKです」と言う会社はむしろ要注意です。

④費用体系の透明性と費用対効果の考え方

プラン帯月額費用の目安含まれるサービス保険診療クリニック向き度
コンサルのみ月額5〜15万円戦略設計・投稿企画の提案・分析レポート。制作は院内で行う△(院内に制作リソースがある場合)
投稿制作込み月額15〜30万円企画・投稿制作(静止画+リール)・投稿代行・分析レポート◎(保険診療クリニックのボリュームゾーン)
フルサポート月額30〜50万円以上上記+動画撮影・Instagram広告運用・コメント対応・DM対応○(予算に余裕がある場合)

保険診療クリニックでは月額10〜20万円の「投稿制作込み」プランが多いボリュームゾーンです。

費用を確認する際のポイント:

  • 月額費用に含まれるサービス範囲を明確にする(月間投稿本数、リール本数、ストーリーズ本数、分析レポートの有無)
  • 初期費用の有無と金額(0〜20万円程度が一般的)
  • 追加費用が発生する条件(撮影の出張費、投稿本数の追加、Instagram広告費等)
  • 最低契約期間(6ヶ月が多い。3ヶ月以下の場合は効果測定が困難)

保険診療クリニックのInstagramは「3ヶ月で来院数○人増加」のような即時的なROI(投資に対する利益)で測れるものではありません。
Instagramの役割は「検索やマップで見つけた患者の背中を押す信頼構築装置」であり、その効果は「Instagramがあることで来院率が上がっているかどうか」という間接的な視点で評価する必要があります。
保険診療においては、「3ヶ月で集患効果を出します」というよりも、「まず3ヶ月でアカウントの信頼感を整え、検索経由の患者さんに安心感を与えられる状態を作りましょう」と正直に伝えてくれる会社のほうが信頼できます。

⑤KPI設計と効果測定の仕組み

前述したように、保険診療クリニックのInstagramは「投稿を見て来院する」直接的な集患効果を期待するものではなく、Google検索やGoogleマップで自院を見つけた患者さんが「このクリニックはどんな雰囲気か」を確認するためにInstagramを見るケースが多いです。
この「来院検討中の患者に安心感を与え、予約の最後の一押しをする」効果を測定する指標が適切です。

保険診療クリニックに適した効果測定の考え方:

  • アカウントの「質」の指標:プロフィールページの完成度、投稿の統一感、最新投稿の更新頻度(数ヶ月更新がないアカウントは逆効果)、院内の雰囲気や院長の人柄が伝わるコンテンツが揃っているか
  • プロフィールアクセス数:プロフィールページが閲覧された回数の推移。投稿・発見タブ・Instagram内検索・外部リンクなど、流入経路を問わない合計値なので特定の経路を示すものではないが、「クリニックへの関心・指名の大まかな代理指標」として推移を追う。
  • HPへの遷移数:Instagramのプロフィールリンクから自院HPにどれだけアクセスがあるか
  • 保存数:健康情報コンテンツの保存数は「信頼できる情報源」として認識されているかの指標
  • 来院時アンケートでの確認:「来院のきっかけ」だけでなく「来院前にInstagramを見ましたか?」と分けて聞くことで、検索→Instagram確認→来院という多接点の導線を把握できる。Instagramの数値は実際の来院とは直接つながらないため、オンラインの指標と実来院を結ぶ最も確実な方法

「Instagram経由の来院が月に○人」という直接的な成果を求めるのではなく、「検索やマップで見つけた患者が、Instagramを見て安心感を得て来院を決めている」という間接的な効果を把握する仕組みが重要です。
この考え方を共有できる代行会社かどうかが、選定の判断基準の1つになります。

月次レポートの頻度・内容を事前に確認し、「フォロワー数の増減だけでなく、アカウントの質やプロフィールアクセスの推移を含むレポートを提出できるか」を確認してください。

⑥担当者の質とコミュニケーション体制

代行会社の看板以上に重要なのが、実際に自院を担当する「個人」の質です。

確認すべきポイント:

  • 営業担当と運用担当が同一人物か:契約前は優秀な営業が対応し、契約後に経験の浅い担当者に代わるケースが多い。「実際に運用する担当者と契約前に面談したい」と伝えてください
  • 連絡手段とレスポンス速度:LINEやSlackでの即時やり取りが可能か。メールのみで返信に2〜3日かかる体制では、タイムリーな投稿ができない
  • 定例ミーティングの頻度と内容:月1回以上の戦略報告会があるか。レポート提出のみで対面・オンラインの打ち合わせがない会社は、戦略の軌道修正が遅れる

Instagram運用代行でよくある失敗パターン5つと回避方法について

ここでは、保険診療クリニックがInstagram運用代行で実際に陥りやすい失敗パターンを5つ取り上げ、それぞれの原因と回避方法を解説します。

失敗①:「Instagramから直接来院」を期待して効果がないと判断してしまう

原因:代行会社が「Instagramで集患できます」と美容クリニック向けの営業トークで契約させ、保険診療クリニックにも「投稿→直接来院」を成果指標として設定してしまうケースです。
保険診療では前述したようにその特性上、Instagramから直接来院する患者さんは少ないため、「効果がない」と判断して解約する、この失敗の本質は、Instagramの役割定義のズレにあります。

回避策:そもそもの期待値を正しく設定します。保険診療のクリニックのInstagramは「検索やマップで見つけた患者の背中を押す信頼構築装置」です。
効果の測定も「投稿から何人来院したか」ではなく「来院前にInstagramを見た患者がどれだけいるか」「アカウントを見て安心感を感じたか」という間接指標で行うべきです。この認識を代行会社と共有できるかが、最初の契約段階で重要な確認事項です。

失敗②:医療広告ガイドライン違反の投稿をされた

原因:代行会社に医療広告の知識がない、または美容クリニックの感覚で「Before/After」「○○が治ります」等の投稿を作成してしまうケースです。

回避策:投稿前の院長チェック体制を必ず構築してください。「投稿前確認フロー」(代行会社が下書き作成→院長がガイドライン適合性と医学的正確性をチェック→承認後に投稿)がない会社は選定対象外です。1投稿あたりの確認時間は5〜10分程度で済みます。

違反があった場合の責任はクリニック側にあることを改めて認識し、「代行会社に任せているから大丈夫」という認識は持たないでください。

失敗③:クリニックの「実際の空気感」が伝わらないテンプレ投稿ばかり

原因:丸投げ型の運用で、代行会社がどのクリニックでも使えるような汎用的なコンテンツ(「風邪の予防法5選」等の一般論)を量産するケースです。
Instagramが「背中を押す信頼構築装置」として機能するためには「このクリニックに行ったらどんな体験が待っているか」が伝わる必要がありますが、テンプレ投稿ではそれが伝わりにくいです。

回避策:院内の日常(スタッフの自然な笑顔、待合室の雰囲気、検査機器の紹介、季節の飾りつけ、院長の診療方針)を素材として代行会社に定期的に提供し、連携した投稿を行い、「このクリニックにしかない空気感」の醸成を図ります。

失敗④:契約したら担当者が変わり品質が低下した

原因:営業担当者が優秀で契約に至ったが、実際の運用は経験の浅い別の担当者に引き継がれ、投稿の質やレスポンス速度が低下するケースです。
代行会社の内部事情(離職・人員配置の変更等)により起きることもあります。

回避策:契約前に実際の運用担当者との面談を求めます。
「運用を担当する方と直接お話ししたい」と伝え、拒否する会社は避けましょう。契約書には「担当者変更時は事前に通知し、引き継ぎ期間を設けること」を明記してもらうのが理想です。

失敗⑤:解約したらアカウントを引き渡してもらえない

原因:Instagramアカウントの所有権・管理権限が契約書に明記されておらず、解約時に「アカウントは当社が管理しているため引き渡しには別途費用がかかります」と言われるケースです。
フォロワーやコンテンツ資産をすべて失うことになりかねません。

回避策:アカウントの所有権がクリニック側にあることを契約書に必ず明記してもらうようにします。
ログイン情報(ID・パスワード)は自院でも保持し、代行会社だけが持っている状態を避けます。制作した投稿画像・動画の著作権もクリニック側に帰属することを契約書に含めましょう。

失敗パターン主な原因回避策
①「Instagram集患」を期待して効果なしと判断保険診療でのInstagramの役割を誤解。直接来院を期待Instagramは「背中を押す信頼構築装置」。期待値と効果測定指標を正しく設定
②ガイドライン違反の投稿代行会社の医療広告知識不足投稿前の院長チェックフロー必須。フローのない会社は選ばない
③テンプレ投稿でクリニックの空気感が不在丸投げ型で院内の一次情報が反映されないハイブリッド型運用で院内の日常を素材として提供
④契約後に担当者が変わり品質低下営業と運用担当の分離、離職契約前に運用担当者と面談。担当変更ルールを契約書に明記
⑤解約後にアカウント引き渡し拒否所有権・管理権限の契約書未記載アカウント所有権・著作権・ログイン情報をクリニック側で保持

代行会社に依頼する前に院内で準備すべきこと

代行会社の選定を始める前に、院内で準備しておくべきことがあります。
この準備が不十分なまま依頼すると、代行会社とのコミュニケーションが噛み合わず、結果として投稿の質も低下します。

Instagram運用の目的を明確にする(集患・ブランディング・採用)

まず「何のためにInstagramを運用するのか」を院内で言語化します。
保険診療のクリニックの場合、基本的にはInstagramの主目的は以下のいずれか(または複数)です。

  • 信頼構築(よくある目的):Google検索やGoogleマップで自院を見つけた患者さんが、Instagramを見て「ここなら安心して行けそう」と感じてもらうための雰囲気づくり。院内の様子、院長の人柄、スタッフの対応の温かさが伝わるアカウント運営
  • ブランディング:院長の専門性や診療方針を継続的に発信し、地域で「○○の症状ならあのクリニック」と想起されるポジションを築く
  • 採用:看護師・医療事務等のスタッフ採用において、働く環境や職場の雰囲気を発信し応募を増やす

重要なのは、「Instagramから新患を直接獲得する」を主目的として置きすぎないことです。
保険診療のクリニックの新患獲得はSEO(Google検索での上位表示)とMEO(Googleマップでの上位表示)が主戦場であり、Instagramはその「後工程」で患者さんの不安を解消して背中を押す役割です。この前提を代行会社と共有できていないと「フォロワーが増えたのに効果がない」という認識のズレが生じます。

院内の素材提供体制を整える

代行会社がよく困るのは「素材がない」ことです。
保険診療のクリニックのInstagramは「院内の空気感」がコンテンツの源泉であり、この素材は院内からしか出てきません。素材提供の体制が整っていないと、代行会社は汎用的なテンプレ投稿しか作れなくなります。

事前に決めておくべきこと:

  • 素材撮影の担当者と頻度:月に1〜2回の撮影日を決めてルーティン化する。受付スタッフや看護師が日常的にスマートフォンで撮影する体制でも十分。院内の様子、待合室の雰囲気、季節のディスプレイ、検査機器、スタッフの自然な表情等を記録する
  • スタッフの出演可否:スタッフの写真・動画を掲載する場合は事前に同意を取得。出演可能なスタッフが多いほどコンテンツの幅が広がる
  • 院長の顔出しの可否:院長が解説するリール動画は信頼感を高める有力なコンテンツのひとつ。顔出しNGの場合は「声のみ」「テキスト解説」で対応する方針を決めておく
  • 投稿前確認の担当者と時間確保:医学的内容の正確性とガイドライン適合性のチェックは院長または医療知識のあるスタッフが担当。1投稿あたり5〜10分程度の確認時間を確保する

契約前に確認すべきチェックリスト

代行会社との契約前に、以下の10項目を必ず確認してください。
口頭での説明だけでなく、契約書に明記されているかを確認することが重要です。

契約条件のチェック項目10選

【注意】 アカウントの所有権と管理権限は必ず契約書に明記してください。解約後にアカウントを引き渡してもらえないトラブルが実際に発生しています。
#チェック項目確認ポイント要注意パターン
1最低契約期間3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月のいずれか。12ヶ月以上の長期縛りは慎重に判断
2解約条件何ヶ月前に通知が必要か、違約金の有無「契約期間中の解約は残額全額支払い」は避ける
3アカウントの所有権解約後もクリニックのアカウントとして継続できるか代行会社名義でアカウントを作成するケース
4制作物の著作権投稿画像・動画の著作権がクリニック側に帰属するか「著作権は制作者に帰属」となっている契約書
5月額費用の範囲投稿本数・リール本数・ストーリーズ・分析レポートの範囲「投稿本数は応相談」等で範囲が不明確
6追加費用の条件撮影出張費、投稿追加、広告費は別途かを確認月額費用以外に多額の追加費用が発生
7投稿前確認フロー院長チェックのステップが運用フローに組み込まれているか「チェック不要で自動投稿します」は危険
8レポートの頻度・内容月次レポートに何が含まれるか(KPI・分析・改善提案)レポートが「フォロワー数の推移」だけ
9担当者変更時のルール変更時の事前通知と引き継ぎ期間の有無「予告なく担当が変わっていた」
10成果保証の有無と内容「フォロワー○人保証」等の成果保証があるかフォロワー数保証は購入フォロワーの可能性あり。要注意

上記10項目は、代行会社との初回面談時にこの表を持参して1つずつ確認するのが効率的です。口頭での説明と契約書の記載が異なるケースもあるため、最終的には契約書の文面で確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q1: Instagram運用代行の費用相場はどのくらいですか?

A: コンサルのみで月額5〜15万円、投稿制作込みで月額15〜30万円、動画制作+広告運用込みで月額30〜50万円以上が一般的な相場です。保険診療クリニックでは月額10〜20万円の投稿制作込みプランが多いボリュームゾーンです。初期費用(5〜20万円程度)と最低契約期間(6ヶ月が多い)も事前に確認してください。

Q2: 保険診療クリニックでもInstagram運用代行は効果がありますか?

A: 効果はありますが、美容クリニックとは効果の出方が根本的に異なります。保険診療クリニックのInstagramは「投稿を見て直接来院する」効果ではなく、「Google検索やGoogleマップで見つけた患者が、Instagramを見て安心感を得て来院を決める」という間接的な効果を期待するものです。院内の雰囲気、院長の人柄、スタッフの対応が伝わるアカウントになっていれば、検索で自院を見つけた患者さんの「背中を押す」信頼構築装置として機能します。

Q3: 運用代行会社に全て丸投げしても大丈夫ですか?

A: 保険診療クリニックでは全面的な丸投げは推奨しません。保険診療のInstagramは「検索で見つけた患者に安心感を与える信頼構築装置」であり、その信頼感の源泉はスタッフの雰囲気、院内の清潔感、院長の人柄、待合室の居心地といった「現場の空気感」です。これらは代行会社がオフィスから作れるものではなく、院内で撮影した写真・動画を素材として提供する体制が重要です。院内が素材提供と投稿前の医学的チェックを担当し、代行会社が企画・制作・投稿・分析を担当する「ハイブリッド型」が適しています。

Q4: 代行会社を選ぶ際に特に重要な基準は何ですか?

A: 医療広告ガイドラインへの理解度が特に重要です。Instagramの投稿もガイドラインの規制対象であり、違反の責任はクリニック側にあります。初回面談で「医療広告ガイドラインの社内チェック体制を教えてください」「過去に医療機関のSNSでガイドライン上の問題が発生した事例と対応は?」と質問し、具体的に答えられるかを確認してください。

Q5: Instagramの効果はどのくらいの期間で出ますか?

A: 保険診療クリニックのInstagramは「投稿から直接来院する」効果を期待するものではないため、「○ヶ月で来院数○人増」のような即時的な成果指標は適切ではありません。目指すべきは「検索やマップで見つけた患者がInstagramを見たとき、安心感を得て来院を決められるアカウント」を整えることです。アカウントの土台づくり(投稿の蓄積、院内の雰囲気が伝わるコンテンツの充実)には最低3〜6ヶ月が必要で、「3ヶ月で結果を出します」と言う会社よりも「まず6ヶ月でアカウントの基盤を整えましょう」と正直に言ってくれる会社のほうが信頼できます。

まとめ:保険診療クリニックは「院内の空気感+代行会社の制作力」のハイブリッドが効果的な選択肢

保険診療クリニックのInstagram運用代行は、美容クリニックとは根本的に戦略が異なります。大きな違いは「Instagramの役割」そのものです。美容クリニックではInstagramが集患の主要チャネルですが、保険診療クリニックでは「Google検索やGoogleマップで見つけた患者さんの背中を押す信頼構築装置」です。この前提を共有できる代行会社を選ぶことがすべての出発点です。

この記事のポイント:

✅ 保険診療クリニックのInstagramは「新患獲得チャネル」ではなく「検索で見つけた患者の背中を押す信頼構築装置」。この前提で代行会社を選ぶ

✅ 選定の特に重要な基準は「医療広告ガイドラインの理解度」と「保険診療クリニックの運用実績」

✅ 運用体制は「院内が素材提供と医学チェック、代行会社が企画・制作・投稿・分析」のハイブリッド型が効果的。クリニックの空気感は院内からしか生まれない

✅ KPIはフォロワー数や「Instagram経由の来院数」ではなく、アカウントの質とプロフィールアクセス数で測定する

✅ 契約前に10項目のチェックリストで確認。特にアカウント所有権・著作権・解約条件は必ず書面で明記させる

代行会社の選定を始める前に、まず「何のためにInstagramを運用するのか」を院内で言語化してください。目的が明確になれば、それに合った会社を選ぶ基準も自然と見えてきます。複数社の提案を比較検討し、本記事のチェックリストを持参して面談に臨みましょう。

執筆者
濱谷 洸旭
クリニックWeb総合研究所代表/株式会社trendPlus CEO

同志社大学卒。2017年にWeb広告事業にて独立。金融Webメディアを立ち上げ、開設から半年で月間18万PV達成。その後、個人事業から上場プライム企業に至るまで数十社のWeb集客を支援。多くのビッグワードで上位を獲得。2019年に法人化し、株式会社trendPlusを設立。
自身が中小企業診断士の資格を保有しており、専門的なWeb集客の面と総合的な経営面でのサポートができることを強みに持ち、とにかく「結果(成果)」にこだわる支援を行うことを重視している。
2026年に自身のこれまでの知識・経験を活かし、保険診療のクリニック集患に特化した支援サービスである「クリニックWeb総合研究所」を立ち上げる。