
こんにちは、クリニックWeb総合研究所代表の濱谷です。
今回は、「耳鼻咽喉科のWeb集患対策」について解説していきます。
耳鼻咽喉科は、全診療科の中で特に季節変動が激しい診療科です。
花粉症シーズン(2〜4月)には患者数も検索数も急増し、冬季にはインフルエンザ・のどの痛みで来院する患者さんも加わり、季節ごとに大きな波があります。この波をうまく活用できるかどうかが、経営安定においては重要なポイントです。
耳鼻咽喉科のWeb集患における3つの固有特性
まず、耳鼻科のWeb集患は、他の診療科にはない3つの特性に大きく左右されます。
①全診療科の中でも特に大きい季節変動
1つ目の特徴は「季節変動」です。
耳鼻科は全診療科の中でも特に大きい季節変動を持ちます。花粉症シーズン(2〜4月)では検索が通常時の数倍に急増することもあります[要確認]。さらに冬季(11〜2月)には「のどの痛み」「インフルエンザ」関連の検索も大きな波を作ります。
見落とされがちなのが、夏から秋にかけての花粉症です。ブタクサやヨモギを原因とする秋の花粉症は、スギ花粉ほど知名度が高くないため、「鼻水が止まらない」「秋なのに花粉症のような症状」といった症状名での検索が増える時期にあたります。
春・秋・冬と年に3つの波があると捉えると、閑散期を減らす発想につながります。
季節変動が大きいということは、コンテンツの公開タイミングそのものが集患効果を左右するということでもあります。検索需要がピークに達してから記事を公開したのでは上位表示が間に合わず機会損失になりやすいため、シーズン開始の1〜2か月前からコンテンツを用意しておく前倒しの運用が効果的です。
②「耳・鼻・のど」3領域を跨ぐ→「何科に行けばいいか迷う症状」を多く扱える
耳鼻咽喉科は、耳・鼻・のどの症状に加え、めまい、いびき、飲み込みにくさなど、「何科を受診すればよいのか迷いやすい症状」も扱う診療科です。
「めまいは何科?」「いびきは何科?」「のどの痛みは耳鼻咽喉科と内科のどちら?」といった疑問に答えるコンテンツのほか、「耳鳴りが続く」「鼻づまりが治らない」「飲み込みにくい」といった症状について解説することで、耳鼻咽喉科の専門性を伝えられます。
特に、のどの痛みや違和感がある場合、耳鼻咽喉科では口からの診察に加え、必要に応じて細い内視鏡を鼻から挿入し、鼻の奥から咽頭、喉頭、声帯付近まで詳しく観察できます。
通常の診察では見えにくい部分の炎症や腫れ、声帯の異常などを確認できることは、耳鼻咽喉科ならではの専門性の一つです。
「内科との優劣」を打ち出すのではなく、「耳・鼻・のどを専門的に診察し、必要に応じて見えにくい部分まで詳しく確認できる」という点を伝えることが、耳鼻咽喉科の強みを正確に訴求するポイントです。
③再発・慢性化しやすい疾患が多く、リピート受診の設計余地が大きい
3つ目の特徴は、一度の受診で完結せず、継続的な通院が前提になる疾患を多く扱う点です。
滲出性中耳炎、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、アレルギー性鼻炎などは、経過観察や継続治療を要することが多く、単発の急性疾患だけで診療が回る診療科ではありません。
これは裏を返せば、初診の患者さんを「かかりつけ」として定着してもらう設計余地が大きいということです。
継続受診に繋がる導線を組めるかどうかが、他科と比べたときの経営面の強みになります。
継続受診の比率が高まるほど、先述した①の季節変動による閑散期の落ち込みも和らげられます。
この特性を活かした具体例が、花粉症患者のかかりつけ化です。
花粉症では、舌下免疫療法(保険適用・3〜5年の通年治療)への誘導がかかりつけ化施策として有効です。
この治療は主にスギ花粉用とダニ用の2種類があり、スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、スギ花粉の飛散期には新たに開始できない一方で、ダニアレルギー性鼻炎に対する治療は、季節を問わず開始できます。
つまり、花粉症シーズンの真っただ中では始められない治療であり、シーズンオフこそが提案のタイミングになります。
具体的な導線としては、また後述しますが、花粉症シーズンの初来院時にLINE登録を促し、シーズン終了後に舌下免疫療法の説明や開始案内を配信する形が考えられます。
この導線は、季節変動を通年のかかりつけ化に転換する戦略の重要なポイントであるとともに、治療開始後の継続率維持に向けたリマインド配信にも活用できます。
耳鼻咽喉科が狙うべきSEOキーワード戦略【7大疾患カテゴリ別】
耳鼻咽喉科が扱う疾患・症状を7つのカテゴリに体系化しました。
①花粉症・アレルギー性鼻炎:最大の検索ボリューム+かかりつけ化の入口
キーワード例:○○市 花粉症、○○区 アレルギー性鼻炎、舌下免疫療法 ○○市
優先度:★★★(最優先)
花粉症は耳鼻科最大の検索ボリュームを持ち、毎年必ず来院するかかりつけ化の入口として最重要と言えます。
2〜4月の検索爆発に備え、少なくともシーズン1〜2ヶ月前にはページ準備を完了させるようにするようにしましょう。
花粉症コンテンツの先行準備スケジュール
- 11月:翌年の花粉飛散予測情報を収集、花粉症ページの更新計画策定
- 12月:花粉症ページの全面リライト完了。舌下免疫療法ページも更新。年号と最新情報を反映
- 1月:GBP(Googleビジネスプロフィール)やInstagramでの投稿で花粉症シーズンの受診案内を開始。
- 2〜4月:検索ピーク到来→上位表示済みのページがアクセスを獲得。GBP投稿を週2〜3回に
「毎年同じページを使い回す」のではなく「必要に応じて最新情報に更新する」ことでSEO効果を維持するように努めるのがポイントです。
②副鼻腔炎(蓄膿症):通年需要+慢性化
キーワード例:○○市 副鼻腔炎、蓄膿症 治療 ○○区、鼻づまり 治らない ○○駅
優先度:★★★(通年需要+閑散期の集患柱)
急性・慢性とも通年で検索される、閑散期の集患を支える重要なキーワード群です。
慢性副鼻腔炎は継続通院が必要でLTV(顧客がもたらす総利益・価値)が高い疾患です。
ページを作成する際には、一般名称「蓄膿症」と正式名「副鼻腔炎」の両方をページ内に含めるようにしましょう。
③のどの痛み・風邪・インフルエンザ:内科との差別化で集患の幅を広げる
キーワード例:
- ○○市 のどの痛み、○○区 のどが痛い 耳鼻科
- インフルエンザ 検査 耳鼻科 ○○駅、のどの痛み 耳鼻科 内科 どっち ○○市
- 扁桃腺 腫れ ○○区、声枯れ ○○市 耳鼻科
優先度:★★☆(冬季の集患柱)
のどの痛み・風邪・インフルエンザは「内科に行くもの」と考える患者さんも少なくありません。
しかし耳鼻咽喉科では耳・鼻・のどを専門的に診察し、必要に応じて内視鏡で通常の診察では見えにくい部位まで確認できます。
「耳鼻咽喉科では、のどのどの部分まで診察できるのか」「どのような症状なら耳鼻咽喉科が適しているのか」を分かりやすく説明するコンテンツは、患者さんが適切な受診先を選ぶうえで役立ち、クリニックの専門性を伝えることにもつながります。
インフルエンザの検査・治療は耳鼻科でも対応可能であり、10〜3月の重要な集患キーワードです。
急性扁桃炎、咽頭炎、声枯れ(嗄声)等、のど領域のキーワードについては耳鼻科の強い領域でもあるため、優先して差別化したいキーワードになります。
④中耳炎:子供の保護者が検索→小児科との差別化
キーワード例:○○市 中耳炎、子供 耳 痛い ○○区、中耳炎 耳鼻科 小児科 どっち
優先度:★★☆(保護者向け。小児科との差別化が必須)
中耳炎は全年齢に起こりますが、特に小児に多く、検索者は保護者です。
急性中耳炎は小児科でも診療されますが、診断には鼓膜の状態を正確に確認することが重要です。耳鼻咽喉科では耳や鼓膜を専門的に診察し、必要に応じて鼓膜の動きや聴力を検査したり、耳の処置、鼓膜切開、鼓膜チューブ留置などを検討したりできます。
そのため、「中耳炎は必ず耳鼻咽喉科でなければならない」と訴求するのではなく、「どのような場合に耳鼻咽喉科の専門的な評価が適しているか」を分かりやすく説明することが重要です。
⑤めまい:「何科に行くべきか」迷う患者を耳鼻科に誘導
キーワード例:○○市 めまい 耳鼻科、めまい 何科 ○○区、ぐるぐる回る めまい ○○駅
優先度:★★☆(「何科」キーワードで耳鼻科の認知拡大)
「めまいは何科を受診すればよいのか」と迷っている患者さんに対して、症状別の受診先を案内できるテーマです。
めまいの原因は、耳の病気だけでなく、脳、心臓、血圧、貧血、脱水など多岐にわたります。
そのため、すべてのめまい患者さんを一律に耳鼻咽喉科へ案内するのではなく、症状の特徴や緊急性に応じた受診先を説明することが重要です。
内科・脳神経科と競合しますが、良性発作性頭位めまい症(BPPV)やメニエール病は耳鼻科に強みのある領域です。
頭を動かしたときに起こるめまいや、耳鳴り・難聴・耳の詰まりを伴うめまいでは、耳鼻咽喉科が受診先の一つになることなど症状別に合わせて丁寧に説明しましょう。
⑥難聴・耳鳴り・補聴器:高齢者層の取り込み
キーワード例:○○市 難聴、耳鳴り ○○区、補聴器 相談 ○○駅、突発性難聴 ○○市
優先度:★☆☆(高齢化で増加傾向)
高齢化に伴い需要は増加中の領域です。
補聴器相談対応の有無が差別化要素になります。
突発性難聴は「早期受診が重要」の訴求が来院動機の喚起に効果的です。
また、「テレビの音が大きくなった」「聞き返しが増えた」「家族との会話がかみ合いにくくなった」といった変化を家族が先に感じることもあり、高齢者の親に対して子供が調べるケースも少なくありませんので、そういった「親の聞こえが悪くなったと感じる家族」に向けたページを作成できればよりユーザーにとって親切な設計となります。
⑦いびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS):内科との差別化で独自ポジション
キーワード例:○○市 いびき 耳鼻科、いびき 何科 ○○区、睡眠時無呼吸 検査 ○○駅
優先度:★☆☆(対応可能な場合は独自ポジション)
睡眠検査、CPAP治療、手術適応の評価、専門医療機関への紹介など、自院の対応体制が整っている場合に有効なテーマです。
いびきや睡眠時無呼吸症候群は、耳鼻咽喉科だけでなく、呼吸器内科、一般内科、睡眠外来などでも診療されています。そのなかで耳鼻咽喉科には、鼻やのどなど、睡眠中の空気の通り道となる上気道を専門的に評価できる強みがあります。
CPAP導入対応の場合は継続通院でLTV(顧客がもたらす総利益・価値)が高くなります。
| カテゴリ | 代表的なキーワード | 優先度 | 季節性 | 他科との競合 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| ①花粉症 | 花粉症、アレルギー性鼻炎、舌下免疫 | ★★★ | 2-4月爆発 | 内科 | 最大KW。かかりつけ化の起点 |
| ②副鼻腔炎 | 副鼻腔炎、蓄膿症、鼻づまり | ★★★ | 通年 | なし | 閑散期の集患柱。慢性化LTV高 |
| ③のど・インフルエンザ | のどの痛み、扁桃炎、インフルエンザ、声枯れ | ★★☆ | 冬季(10-3月) | 内科 | |
| ④中耳炎 | 中耳炎、子供 耳痛い、滲出性中耳炎 | ★★☆ | 通年(夏増) | 小児科 | 保護者向け。専門性で差別化 |
| ⑤めまい | めまい、メニエール、ぐるぐる回る | ★★☆ | 通年 | 内科・脳神経 | 「何科」KWで認知拡大 |
| ⑥難聴・耳鳴り | 難聴、耳鳴り、補聴器、突発性難聴 | ★☆☆ | 通年 | なし | 高齢者層。補聴器が差別化 |
| ⑦いびき・SAS | いびき、睡眠時無呼吸、CPAP | ★☆☆ | 通年 | 内科・呼吸器 | 構造的原因を診る独自性 |
耳鼻咽喉科のSEOのコンテンツ戦略
耳鼻咽喉科は「耳・鼻・のど」の3領域にまたがるため、
「めまい 何科」
「いびき 何科」
「のどの痛み 耳鼻科 内科 どっち」
「子供 鼻水 小児科 耳鼻科」
のような「迷いキーワード」が多い診療科です。
この迷いに対して、耳鼻科の専門性を正確に伝えつつ、内科や他科が適しているケースも誠実に示すコンテンツが、患者さんの信頼獲得と来院に直結します。
重要なのは「何でも耳鼻科に来てください」と一方的に主張することではありません。
症状によって耳鼻科が適している場合と、内科や他科が適している場合があることを正直に棲み分け、「だからこそ迷ったらまず耳鼻科で相談を」という信頼感を築く構成にすることがポイントです。
以下、患者さんが特に迷いやすい4つのテーマについて、ページで示すべき棲み分けの内容を整理します。
テーマ①:のどの痛み——耳鼻科と内科、どちらに行くべきか
「のどの痛み」は患者さんが迷いやすい症状のひとつで、耳鼻科でも内科でも対応可能なテーマではありますが、症状の種類によって得意分野が異なることを患者にうまく伝えていくことがポイントです。
以下は例となります。
| こんな症状なら | 耳鼻科が得意 | 内科が得意 |
|---|---|---|
| のどだけが痛い(扁桃腺が腫れている、声が出にくい) | ◎ 扁桃、咽頭を診察し、必要に応じて口から見えにくい下咽頭・喉頭まで評価できる | ○ 扁桃や咽頭の診察、一般的な咽頭炎・扁桃炎の治療が可能 |
| のどの痛み+鼻水・鼻づまりが同時にある | ◎ 鼻、鼻副鼻腔、咽頭を一連の上気道として評価できる | ○ 対応可能 |
| のどの痛み+発熱・全身倦怠感が主体 | ○ 対応可能 | ◎ 全身状態の評価を含めた総合的な診察に強い |
| 声がかすれる(嗄声)が続いている | ◎ 内視鏡で喉頭・声帯を評価できる | △ 一般的な風邪の診療は可能ですが、声がれが続く場合は耳鼻咽喉科への案内 |
| のどに魚の骨が刺さった | ◎ 専用の器具で除去可能(耳鼻科の独壇場) | △ 対応困難。耳鼻咽喉科への案内が一般的 |
ページでの記載ポイントは
といったように、両科の強みを正確に示したうえで判断基準を提示する構成です。
一方的に「のどの痛い=耳鼻科」とだけ主張するページは、実態とズレた印象を与えかねないため注意が必要です。
テーマ②:めまい——耳鼻科と内科・脳神経科の棲み分け
めまいの原因は内容によって耳鼻科や脳神経外科など分かれるテーマになりますが、患者に対してはめまいのタイプによって、どこにかかるのが適切なのかをしっかり伝えることがポイントです。
| めまいのタイプ | 適した診療科 | 代表的な疾患 |
|---|---|---|
| 寝返りや起き上がりなど、頭の動きで誘発される短時間の回転性めまい | ◎耳鼻科が受診先の一つ | 良性発作性頭位めまい症など |
| 耳鳴り・難聴を伴うめまい | ◎ 耳鼻科 | メニエール病、突発性難聴 |
| 突然、片耳が聞こえにくくなり、耳鳴りやめまいを伴う | ◎ できるだけ早く耳鼻科 | 突発性難聴など |
| 手足のしびれ・ろれつが回らない、手足の痺れ、激しい頭痛やふらつき等を伴う | △ 耳鼻科/◎ 脳神経科(119番通報を含め直ちに救急対応) | 脳梗塞・脳出血の疑い(救急対応が必要) |
ページにおける伝え方の例としては
「内耳性めまいはめまいの原因として比較的多く、BPPV、メニエール病、前庭神経炎などは耳鼻咽喉科が専門的に診療する領域です。特に、頭の動きで誘発されるめまいや、耳鳴り・難聴を伴うめまいでは、耳鼻咽喉科が受診先の一つになります。
ただし、めまいの感じ方だけで耳の病気か脳の病気かを判断することはできません。突然の手足のしびれや麻痺、ろれつの回りにくさ、二重に見える、激しい頭痛、意識の異常、支えなしでは立てないほどのふらつきがある場合は、脳卒中などの可能性があるため、119番通報を含めて直ちに対応してください。」
のように、耳鼻科が対応すべき症状と、他科を受診すべき緊急サインの両方を明記することが重要です。
患者さんの安全を第一に考えた案内が、かえって信頼感を高めます。
テーマ③:子供の鼻水・耳の痛み——耳鼻科と小児科の棲み分け
子供の鼻水や中耳炎は、小児科でも耳鼻科でも対応可能な領域ではありますが、それぞれ得意分野が異なっていますのでその部分の棲み分けをうまく患者に伝えていきます。
- 耳鼻科が得意:中耳炎の診断(鼓膜の直接観察)、副鼻腔炎の評価、鼻吸引処置、アデノイド・扁桃肥大の評価
- 小児科が得意:全身状態の評価(発熱・脱水等)、同時に他の疾患(気管支炎等)を診る総合的な診察、予防接種等との一括対応
- 迷ったときの目安:耳の痛み・鼻水が長引く・鼻づまりが主訴なら耳鼻科、発熱・咳・嘔吐など全身症状が主訴なら小児科
また、患者向けページでは、対応年齢、実施できる検査や処置、発熱時の受診方法、予約方法など、自院の診療体制を具体的に掲載しましょう。
「子どもも診察しているのか」「どのような症状なら受診してよいのか」という保護者の不安を解消することが、検索流入を実際の受診につなげるポイントです。
テーマ④:いびき・睡眠時無呼吸——耳鼻科と内科・呼吸器科の棲み分け
いびきや睡眠時無呼吸は、「耳鼻咽喉科、内科、呼吸器内科のどこへ行けばよいのか」と患者さんが迷いやすいテーマです。
Web集患では、こちらも同様に、耳鼻咽喉科が評価できる領域と、自院で対応できる検査・治療の範囲を具体的に伝えることが重要です。
- 耳鼻科の強み:鼻やのどの形態的な問題や、上気道を狭くする可能性のある疾患を専門的に評価できる。鼻やのどの形態的な要因を評価し、鼻疾患の治療や手術適応の判断につなげられる
- 内科・呼吸器科の強み:内科・呼吸器内科・睡眠外来のうち、睡眠医療に対応する施設では、検査からCPAP導入・継続管理、生活習慣や合併症の管理まで行っている場合がある
- ページでの記載例:「鼻づまり、口呼吸、のどの狭さ、扁桃肥大などが気になる場合は、耳鼻咽喉科が受診先の一つです。耳鼻咽喉科では、鼻やのどの状態を診察し、いびきや無呼吸に関係する形態的な問題がないかを評価できます。家族から無呼吸を指摘された、日中の強い眠気がある、朝の頭痛や熟睡感のなさが続く場合は、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、睡眠外来など、睡眠時無呼吸の検査に対応する医療機関へ相談してください。」
※CPAP治療等に対応している場合はその旨記載しましょう。
耳・鼻・のどの症状が中心なら、耳鼻咽喉科を受診先として想起してもらう
上記4テーマに共通して言えるのは、耳鼻科は「耳・鼻・のどの局所を観察・検査・処置できる」点において、他科にはない専門性を持っているということです。
ただしそれは「何でも耳鼻科が正解」という意味ではなく、全身症状が主体の場合や脳の疾患が疑われる場合は他科が適しています。
一つの例として、ページの最後に「迷ったときの受診ガイド」として以下のようなチェックリストを設置しておくと、患者さんの判断を助けるとともに耳鼻科の専門性が正確に伝わります。
「こんな症状なら耳鼻科へ」チェックリスト:
- ☑ のどが痛い・扁桃腺が腫れている・声がかすれる
- ☑ 鼻水・鼻づまりが長引く(2週間以上)
- ☑ ぐるぐる回るめまいがする・耳鳴りがする
- ☑ 耳が痛い・聞こえにくい
- ☑ いびきがひどい(鼻づまりやのどが気になる)
- ☑ 子供の耳が痛い・鼻水が止まらない
「こんな症状は内科・他科へ」チェックリスト:
- ☑ 高熱+全身倦怠感が主体で、のどの症状は軽い
- ☑ 咳や痰が長引いている(呼吸器の評価が必要)
- ☑ めまい+手足のしびれ・ろれつの異常がある(至急脳神経科へ)
- ☑ 子供が高熱でぐったりしている(まず小児科で全身評価を)
※上記はあくまで目安です。判断に迷う場合はまずお電話でご相談ください。
このように、耳鼻科の専門性を一方的に主張するのではなく「症状に応じた適切な診療科の棲み分け」を正直に示すコンテンツこそが、患者さんからの信頼を獲得し、結果として「迷ったらあの耳鼻科に相談しよう」という第一想起を勝ち取る良い方法と言えます。
耳鼻咽喉科におけるMEO対策
Web集患を考える上でGBP(Googleビジネスプロフィール)を最適化すること、いわゆるMEO対策は非常に重要です。
GBPは、Googleの検索結果や地図に表示される、店舗・施設の無料の情報枠です。
「○○市 耳鼻科」のように地域名を含めて検索したとき、地図とともに医院名・診療時間・写真・口コミが並んで表示される、あの枠を指します。

この地図枠での見つけやすさを高める取り組みはMEOと呼ばれ、自院サイトの検索順位を上げるSEOとは別の施策として整理されます。
両者は競合するものではなく、地域集患において両者とも別方向でそれぞれが非常に重要な集患対策となります。
耳鼻科でGBPが特に重要になる理由は、患者さんの探し方にあります。
のどの痛みや花粉症、子どもの中耳炎といった症状は、「今すぐ、近くで診てほしい」というニーズと結びつきやすく、多くの患者さんが「地域名+耳鼻科」で検索し、地図に出てきた医院の中から通いやすい一院を選びます。
つまり、この地図枠の上位に表示されるかどうか、そしてきちんとGBP内の情報が整っているかどうかが、来院の入り口を左右します。
しかも登録・運用の費用はかからないため、着手しやすい施策でもあります。
ここからは、具体的に耳鼻科ならではの視点で、GBPで押さえておきたい設定のポイントを見ていきます。
GBP自体の詳しい登録方法はこちらの記事にて解説しています。
【解説】クリニックのGoogleビジネスプロフィール登録ガイド
カテゴリ設定
Googleビジネスプロフィールに登録したら、まずはカテゴリ設定です。
管理画面に表示される選択肢の中から、自院の主たる診療内容を最も具体的に表すカテゴリを選びます。
耳鼻咽喉科クリニックの場合は、「耳鼻咽喉科医」「耳鼻咽喉科クリニック」などが第一候補になります。
ビジネスの説明(対応可能な検査・治療を具体的に)
Googleビジネスプロフィールの「ビジネスの説明」は、クリニックがどのような診療を行い、どのような患者さんに対応しているのかを伝える項目です。
Googleは、提供内容、自院の特徴、開業からの年数、患者さんに役立つ情報などを記載できると案内しています。
説明文は全角375文字以内で、URLやキャンペーン、価格訴求などは記載できません。
(参考:Google公式ヘルプページより)
耳鼻咽喉科の場合、単に「耳・鼻・のどを診療しています」と書くだけでなく、患者さんが検索しやすい症状や、自院で実際に対応している検査・治療を自然な文章で伝えることが重要です。
例えば、次のような情報を盛り込みます。
- 診療対象となる主な症状や疾患
- 子どもから高齢者までの対応範囲
- 聴力検査、めまい検査、アレルギー検査などの対応内容
- 舌下免疫療法、補聴器相談、睡眠時無呼吸の検査など、自院の特徴
- 駅からの距離、駐車場、予約方法など、受診判断に役立つ情報
- どういう姿勢で治療にあたっているかの方針など
ただし、検索キーワードを不自然に繰り返す必要はありません。
Googleの検索結果は、主に検索内容との関連性、検索者との距離、知名度などを基に決まります。
詳細で正確な情報を登録することは関連性の理解に役立ちますが、説明文へ地域名や診療名を大量に詰め込んだからといって、特定の検索で上位表示されるとは限らないというのがポイントです。
○○駅から徒歩○分の耳鼻咽喉科クリニックです。耳・鼻・のどの一般診療に加え、子どもの中耳炎や鼻づまり、花粉症・アレルギー性鼻炎、めまい、耳鳴り、難聴などの診療を行っています。必要に応じて内視鏡、聴力検査、眼振検査、アレルギー検査などを実施し、症状の原因を詳しく評価します。小さなお子さまからご高齢の方まで、症状や治療方針を分かりやすく説明することを大切にしています。Web予約に対応しており、○台分の駐車場も備えています。
この文章では、検索対策だけを目的に診療名を並べるのではなく、
- どこにあるクリニックか
- どのような症状を診ているか
- どのような検査・治療ができるか
- 患者さんにとってどのような受診上の利点があるか
の順で説明しています。
写真の掲載戦略
写真は15〜20枚以上を目標に登録しましょう。
もし可能であれば月1〜2回新しい写真を追加することで患者に適切な情報を提供するようにしていきたいです。
耳鼻科で特に効果的な写真は以下のとおりです。
- 検査機器の写真:聴力検査室、内視鏡、ネブライザー、アレルギー検査関連の設備など。「この耳鼻科は検査が充実している」という印象を与え、他院との差別化に直結
- 院内の雰囲気や清潔感が伝わる写真:受付、待合室、診察室。耳鼻科は処置を行う診療科のため、清潔感の印象は患者さんの来院判断に強く影響
- 外観写真:初めての患者さんが建物を見つけやすいよう、昼と夜の2パターンが理想
- キッズスペース:子供の患者が多い耳鼻科では、キッズスペースの写真が保護者の安心感を高める
- 院長・スタッフの写真:「どんな先生が診てくれるか」が分かることで心理的ハードルが下がる
投稿機能の活用(耳鼻咽喉科の季節別投稿戦略)
GBP(Googleビジネスプロフィール)では投稿機能を使って日々のお知らせや休診日情報等を投稿することができます。
投稿は「最新情報」カテゴリを中心に、可能であれば週1回以上の頻度で行うことで患者に対して伝えたい情報を積極的に配信することができます。
耳鼻咽喉科ならではの季節別投稿戦略の例としては以下のとおりです。
- 1〜4月(花粉シーズン):週2〜3回に頻度を上げる。花粉飛散情報、花粉症の受診案内、舌下免疫療法の案内。このシーズンの投稿が年間のGBP活性度に大きく寄与
- 5〜6月:舌下免疫療法の開始適期の案内(閑散期の集患対策として)
- 7〜8月:プール後の耳のトラブル注意喚起、子供の中耳炎の予防情報
- 9〜10月:インフルエンザワクチン接種開始の案内、秋花粉への注意喚起
- 11〜12月:インフルエンザの流行状況、のどのケア情報、年末年始の診療案内
投稿には、「花粉症」「耳鳴り」「めまい」など、その投稿で扱う症状や診療内容を自然に記載します。
(※ただし、キーワードを入れれば検索順位が上がるとは限りません。)
地域名や症状名を不自然に繰り返さず、患者さんにとって読みやすく役立つ文章を優先しましょう。
診療時間の正確な登録
耳鼻科では土曜診療(土日祝診療)の有無が就労世代(ドライアイ・コンタクト処方等の若年層)の選定基準のひとつです。
正確に登録し、GBPの投稿でも「土曜日も○時まで診療しています」とアピールしましょう。
花粉症シーズンに臨時増枠(土曜午後の臨時診療等)を行う場合は、GBPの「特別営業時間」にもすぐに反映することが大切です。
祝日やお盆、年末年始の休診も正確に設定することがポイントです。
口コミ対策:耳鼻咽喉科で多い不満パターンと対策
耳鼻科の口コミには、他の診療科にはない特徴的な不満パターンがあります。
特に「花粉シーズンの待ち時間」と「処置の痛み」は耳鼻科に固有の課題であり、これらを放置すると口コミ評価が低下し、MEOにも悪影響を及ぼしかねません。
不満パターンごとに根本対策を講じ、「この耳鼻科は丁寧」という口コミを増やすオペレーション改善が求められます。
以下は耳鼻咽喉科で見かけることの多い不満のパターンの例です。
| 不満パターン | 患者の声の例 | なぜ起きるか | 根本対策の例 |
|---|---|---|---|
| ①花粉症シーズンの混雑 | 「2時間待ちだった」「予約したのに1時間以上待った」 | 2〜4月に患者数が通常の3〜5倍に急増し、予約枠を大幅に超過する | WEB予約・時間帯予約制の導入。HP上に「混雑予想カレンダー」を掲載。花粉シーズンの臨時増枠の検討。処方のみの患者向けにオンライン診療の活用も選択肢 |
| ②処置が痛い | 「鼻の吸引が痛かった」「のどの処置がつらかった」「子供が大泣きして可哀想だった」 | 鼻吸引・ネブライザー・咽頭処置は侵襲を伴うため、他科にはない痛みの不満が発生しやすい | 処置前に「これから○○をします。少し違和感がありますがすぐ終わります」と声かけを徹底する。吸引圧の調整、処置時間の短縮を意識する。子供の場合は保護者に処置の目的を事前説明し、処置後に「よく頑張ったね」のフォローを行う |
| ③説明不足 | 「薬だけもらって帰された」「何の病気なのか説明がなかった」「いつまで通えばいいか分からない」 | 花粉シーズンは1人あたりの診察時間が短くなりがちで説明が手薄になりやすい | 症状の原因・処方薬の効果と使い方・治療期間の見通しの3点を診察時に必ず伝える。繁忙期は説明用の定型資料(花粉症のセルフケアシート等)を配布して補完する |
| ④子供への対応 | 「子供が泣いても構わず処置された」「怖がる子供への配慮がなかった」 | 耳鼻科は子供の患者が多いが、処置(鼻吸引・耳の検査等)が子供にとって恐怖になりやすい | 子供の目線に合わせた声かけ(「お鼻のお掃除をするよ」等)。処置前に保護者と子供に手順を説明。処置後のフォロー(ご褒美シール等)で次回への恐怖を軽減する |
花粉シーズンの待ち時間は耳鼻科最大の口コミ課題
花粉症シーズンの待ち時間問題は、耳鼻科の口コミ評価に大きく影響する課題です。
この時期に低評価の口コミが集中すると、年間を通じた平均評価が押し下げられます。
根本的な対策としては、WEB予約や時間帯予約制の導入が有効ですが、それだけでは花粉シーズンの3〜5倍の患者増には対応しきれません。
追加の施策として以下のような対策を検討するのも方法の一つになります。
- HP上の「混雑予想カレンダー」:曜日・時間帯別の混雑度を3段階(空いている/やや混雑/大変混雑)で表示し、患者さんの来院分散を促す
- GBP投稿機能を活用した混雑情報発信:「今週は○曜日の午前が比較的空いています」のような投稿をシーズン中に週2〜3回行う
- 花粉症リピーターへのオンライン診療:前年も同じ薬を処方していた患者さんにはオンライン診療で処方を行い、院内の混雑を緩和する(対応可能な場合)
- 待ち時間表示システム:受付時に目安の待ち時間を伝えるか、順番表示モニターを設置して「いつ呼ばれるか」が分かる状態を作る
口コミ返信の注意点
口コミへの返信は、耳鼻咽喉科に限った話ではありませんが、投稿者本人だけでなく「これから受診を検討している多数の潜在患者が見ている」という意識で行うことが重要です。返信時は以下の4点を必ず守ります。
- 患者の個人情報に触れない:症状名、疾患名、処置内容を返信に書かない(「○○の処置についてですが」のような記載は守秘義務・医療広告ガイドラインの観点で問題)
- 効果を断定しない:「当院の治療なら改善します」のような表現はNG
- 感情的にならない:「処置が痛い」という口コミに対して「必要な処置です」と反論するのではなく、「ご不快な思いをおかけし申し訳ございません。痛みへの配慮を一層心がけてまいります」と改善姿勢を示す
- 24〜48時間以内に返信:迅速な返信が「声に向き合う耳鼻科」の印象を作る
全般的なMEO対策についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
【徹底解説】保険診療のクリニックのMEO対策について分かりやすく解説
SNS活用|花粉情報×Instagram+LINE配信のかかりつけ化戦略
耳鼻咽喉科のSNS活用は、他の診療科にはない特徴を持っています。
それは「花粉シーズンにフォロワーが増えやすいタイミングがある」ことです。
この一時的な接点を、Instagram・LINEを使って通年のかかりつけ関係に転換するのが、耳鼻科のSNS戦略では重要なポイントの一つとなっています。
Instagram:花粉情報・セルフケア情報で「頼れる耳鼻科」ブランドを構築
なぜ耳鼻咽喉科にInstagramが有効なのか
Instagramの主要ユーザー層(20〜40代)は、花粉症・ドライアイ・子供の耳鼻科受診で検索する層と重なります。
さらに、花粉症シーズンに「地元の花粉飛散情報」を毎日発信する耳鼻科アカウントは、保存・シェアされやすく、短期間でフォロワーが増加しやすい特性があります。
この「シーズン中のフォロワー獲得→シーズン外の通年フォロー維持」という流れを設計できるのは耳鼻科ならではの強みです。
投稿コンテンツの種類と具体例
耳鼻咽喉科のInstagramは「症例写真」ではなく「セルフケア知識」と「季節の健康情報」が主力です。
一例にはなりますが、投稿テーマの例を以下に記載します。
① 花粉・アレルギー情報(2〜4月は重要)
- 「今日の花粉飛散量は○○レベルです」(毎日〜隔日。シーズン中は保存率が高い)
- 「花粉症を悪化させるNG習慣3選」(カルーセル投稿で保存されやすい)
- 「市販の点鼻薬を使い続けると逆効果になることがあります」(専門性を示す啓発系)
- 「今年の花粉飛散予測と対策まとめ」(1月に投稿。シーズン入りの先行情報)
② セルフケア・ハウツー動画(リール)
- 「耳鼻科医が教える正しい鼻うがいの方法」(リール動画30〜60秒。最も再生・保存されやすいコンテンツのひとつ)
- 「花粉症の目のかゆみを和らげるコツ」
- 「子供の鼻水、正しいかみ方を教えます」(保護者向け。シェアされやすい)
- 「声枯れしたときに避けるべきこと」
③ 疾患啓発・受診の目安(通年コンテンツ)
- 「めまいが起きたとき、耳鼻科と内科どちらに行くべき?」(HPの棲み分けコンテンツと連動)
- 「耳鳴りが続くときのセルフチェック」
- 「いびきを放置すると危険な理由」
- 「突発性難聴は48時間以内の受診が重要です」
④ 院内の雰囲気・スタッフ紹介
- 検査機器の紹介(「この機械で何を調べるか」の解説付き)
- 院長・スタッフの自己紹介、日常のワンシーン
- キッズスペースの紹介(保護者の安心感を醸成)
フォロワー→来院の導線設計
Instagramのフォロワーを実際の来院につなげる動線を設計するのも重要です。
以下は動線設計の例になります。
- プロフィールにHPリンクを設置:Instagramのプロフィール欄にクリニックHPのURLを設定。
- 投稿内で「詳しくはプロフィールのリンクから」と誘導:各投稿のキャプション末尾に必ず記載
- ストーリーズ投稿の「リンクスタンプ」活用:予約ページや花粉症ページへの直接リンクを設置(フォロワー数に関係なく全アカウントで利用可能)
※ストーリーズ投稿とは、インスタグラムの投稿方法の一つで、24時間で消えるタイプの投稿になります。気軽に投稿できて最新の情報をいち早く共有するのに適しています。 - ハイライトに「初めての方へ」を常設:診療時間、アクセス、予約方法をまとめたストーリーズをハイライトに固定し、初見フォロワーの来院ハードルを下げる
耳鼻咽喉科のInstagramは「症例写真で直接集患する」美容クリニック型ではなく、「セルフケア情報で信頼を積み上げ、必要な時に自院を選んでもらう」信頼構築型です。即効性は低いですが、花粉シーズンのフォロワー急増というチャンスを活かせば、他の診療科よりも効率的にフォロワー基盤を築けます。
LINE公式アカウント:花粉情報+舌下免疫療法リマインドで通年かかりつけ化
耳鼻咽喉科におけるLINEの有用性
LINE公式アカウントは、耳鼻科にとってInstagram以上に重要なSNSツールです。
理由は明確で、耳鼻科のかかりつけ化に有効な戦略として
「花粉シーズンの初来院→シーズン終了後の舌下免疫療法案内→通年通院」
という時間差のあるコミュニケーションにあるからです。
花粉シーズン中に来院した患者さんとの接点を、シーズン後も維持できるツールとしてLINEが適しています。
メールよりも開封されやすく、プッシュ通知でメッセージが届きます。
LINE登録率を最大化する仕組み
花粉シーズンの初来院時にLINE登録を促す仕組みを設計しましょう。以下は設計例になります。
・受付にQRコード付きポップを設置:「LINEからのご予約も可能!花粉飛散情報など役立つ情報もお届けします」といったようなメリットを明示。「登録してください」ではなく「登録すると○○ができます」と具体的なメリットを伝える
・会計時にスタッフが一声案内:「LINEに登録していただくと、花粉情報や休診のお知らせをお届けできます」
・診察券裏面にQRコードを印刷:帰宅後に登録する患者さんもいるため、持ち帰れる場所にもQRコードを配置
・登録時の自動メッセージで即座に価値提供:「ご登録ありがとうございます。花粉飛散情報や休診のお知らせをお届けします」+花粉症セルフケアガイドのPDFリンク等を自動配信し、「登録してよかった」と感じてもらう
年間のLINE配信スケジュール
LINEの配信は「送りすぎ」るとブロックされ、「送らなすぎ」ると存在を忘れられます。
以下は耳鼻科の場合の例となります。
| 時期 | 配信頻度 | 配信内容 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 月2回 | 花粉シーズン入りの事前案内、早めの受診を推奨 | シーズン前の来院促進 |
| 2〜4月 | 週1回 | 花粉飛散情報(「今週は大量飛散の予報です」等)、混雑情報(「○曜日午前が比較的空いています」) | 来院タイミングの誘導+満足度向上 |
| 5〜6月 | 月2回 | 「花粉症を根本から治したい方へ——舌下免疫療法の開始適期です」の案内 | 閑散期集患の最重要配信。かかりつけ化の核心 |
| 7〜8月 | 月1回 | プール後の耳のケア、夏休み中の子供の耳鼻科受診案内 | 接点の維持(配信しすぎない) |
| 9〜10月 | 月2回 | インフルエンザワクチン接種開始案内(価格・予約方法)、秋花粉の注意喚起 | 冬季の来院促進 |
| 11〜12月 | 月2回 | インフルエンザ流行状況、のどのケア情報、年末年始の診療案内 | 冬季集患+年末休診の事前告知 |
| 随時 | 発生時 | 臨時休診、診療時間変更、感染症の流行警報 | 信頼できる情報源としてのポジション確立 |
「かかりつけ化」のLINE導線設計
花粉シーズンに獲得した患者さんを舌下免疫療法に繋げることを例にとって、具体的な流れについて考えてみます。
- 2〜4月(花粉シーズン):花粉症で初来院した患者さんにLINE登録を促す。登録率が年間のかかりつけ化効率を決める最重要KPI
- 4月末(シーズン終盤):「来年も花粉症で悩みたくない方へ」のメッセージを配信。舌下免疫療法の概要を紹介し、HPの舌下免疫療法ページへのリンクを添付
- 5〜6月(開始適期):「舌下免疫療法を始めるなら今がベストです」の具体的な案内を配信。費用(月約1,500〜2,000円、保険適用)、治療期間(3〜5年)、開始の流れを明記し、予約ページへのリンクを設置
- 翌年1月:舌下免疫療法を開始した患者さんには「今年の花粉シーズン、治療の効果を実感できるかもしれません」と励ましのメッセージ。未開始の患者さんには再度案内
こちらは一例ではありますが、このようなサイクルを毎年繰り返していくことで、花粉症の季節変動を「一時的な繁忙」から「通年かかりつけ患者の獲得パイプライン」へ転換を図ることができます。
舌下免疫療法は基本的に3〜5年の通年通院が必要となるため、1人の患者さんが実際に開始すれば、少なくとも3年間はかかりつけ患者としての定着が図れます。
さらに、通年性のアレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎といった、季節を問わない疾患のフォローアップ導線としても展開できる点が、この施策の広がりです。
リッチメニューの設計
LINE公式アカウントにはトーク画面下部に常時表示される「リッチメニュー」を設定できます。

耳鼻科の場合は以下の構成が効果的です。
- 「WEB予約」ボタン(予約ページへ直接遷移)
- 「診療時間・アクセス」ボタン(HP内の該当ページへ遷移)
- 「花粉症について」ボタン(花粉症ページへ遷移。シーズン外は「舌下免疫療法」に差し替え)
- 「電話で問い合わせ」ボタン(タップで発信)
リッチメニューがあるだけで、LINEのトーク画面が「ミニHP」として機能し、患者さんが必要な情報にすぐアクセスできる環境が整います。
Instagram × LINE の連携
InstagramとLINEは単独で運用するよりも、連携させることで効果が高まります。
- Instagram → LINE の流れ:Instagramのプロフィールや投稿でLINE登録を促す。InstagramはフォロワーのフィードやReelsタブに表示されないと見てもらえませんが、LINEはプッシュ通知で届くため、LINEへの誘導が重要
- コンテンツの使い分け:Instagramは「広く知ってもらう」ための発信(セルフケア情報、啓発コンテンツ)、LINEは「既存患者にリピートを促す」ための発信(予約案内、舌下免疫療法リマインド)と役割を分ける
- 共通のメッセージ:花粉シーズン入りの案内やインフルエンザワクチン開始の告知は、InstagramとLINEの両方で同時に発信し、リーチを最大化する
まとめ:耳鼻科は「季節変動を武器に変える力」がWeb集患の最大の差別化
耳鼻咽喉科は全診療科の中でも季節変動による影響が特に大きい診療科です。
この変動を「繁忙期で終わらせる」のか「通年のかかりつけ化に転換する」のかは、Web集患戦略の設計次第です。
自院にできることを1つ1つ行なって、患者に選ばれるクリニックを作っていきましょう。
現状の課題分析から施策の優先順位づけまで、お気軽にお問い合わせください。
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執筆者
濱谷 洸旭
クリニックWeb総合研究所代表/株式会社trendPlus CEO
2017年にWeb広告事業にて独立。金融Webメディアを立ち上げ、開設から半年で月間18万PV達成。その後、個人事業から上場プライム企業に至るまで数十社のWeb集客を支援。多くのビッグワードで上位を獲得。2019年に法人化し、株式会社trendPlusを設立。
自身が中小企業診断士の資格を保有しており、専門的なWeb集客の面と総合的な経営面でのサポートができることを強みに持ち、とにかく「結果(成果)」にこだわる支援を行うことを重視している。
2026年に自身のこれまでの知識・経験を活かし、保険診療のクリニック集患に特化した支援サービスである「クリニックWeb総合研究所」を立ち上げる。




