
こんにちは、クリニックWeb総合研究所代表の濱谷です。
今回は「クリニックのホームページ(HP)からの予約が少ない原因と対策」をテーマにお話しします。特に、保険診療を中心に展開するクリニック向けの内容です。
これまで多くのクリニックをご支援してきた中で、
「費用をかけてしっかりとHPを作成したのに、予約が増えない…」
というお悩みでご相談いただくケースは非常に多くあります。
結論から言うと、HPからの予約が少ないことには明確な原因があり、現状を分析して原因を特定し、適切な対策を打つことで改善を図ることが可能です。
また、保険診療は自由診療と異なり、価格やキャンペーンで差別化することができません。だからこそ、「探されたときに見つかること」「迷わせないこと」「不安なく予約してもらえること」という設計の質が、そのまま予約数の差になります。
この記事では、GA4(Googleアナリティクス)・Googleサーチコンソール(GSC)・Googleビジネスプロフィール(GBP)などの数字を使い、クリニックのホームページ集患の改善を「感覚」に頼らず進めていく方法をお話しします。
まずは原因を切り分ける:予約が少ない3段階診断
HPからの予約改善の近道は、いきなり手当たり次第に改修しようとすることではなく、まず、「HPからの予約が少ない原因が何かを特定すること」です。診断はシンプルに、次の3段階でOKです。
- ①見られているか(流入):そもそもHPに人が来ているか?
- ②辿り着けているか(導線):予約ボタンまで迷わず行けるか?
- ③完了できているか(フォーム/予約システム):予約前で離脱が起きていないか?

診断①:見られているか(流入):そもそもHPに人が来ているか?
まず大前提として、HPからの予約が少ないかどうかの前に、そもそもHPに人が来ているかどうかを確認する必要があります。
見る場所
- Google Search Console(Googleサーチコンソール):検索クエリ、表示回数、クリック数、掲載順位
- Google アナリティクス(GA4):表示回数、ユーザー数
- Googleビジネスプロフィール:マップ経由の表示・行動(電話、ルート、サイトクリック)
チェックポイント
非指名検索が取れているかをチェックします。
- 指名検索(例:「クリニック名」で検索)に偏っていないか → 指名検索だけだと新患の伸びが頭打ちになりやすいです。
- 非指名検索(例:「地域+症状」「地域+診療科」で検索)が取れているか →保険診療におけるホームページ集患の鍵はこの領域です。

例(イメージ)
- 月の検索流入 1,000セッション
- 指名検索 700(70%)
- 非指名検索 300(30%)
→例はわかりやすいように極端にしていますが、 新患を増やしていく場合、イメージとして上記における非指名検索を300→500→800と増やしていく設計が保険診療クリニックのHP集患における鍵となります。(症状別ページ・MEO連携など)。
診断②:HPを訪問後、予約につながっているか
診断①ではHPにそもそも人がきているかどうか、という観点でしたが、診断②では
「HPにユーザーが訪問後、予約につながっているかどうか」という観点になります。
見る場所
- Googleアナリティス(GA4):予約ページへの遷移、スクロール、クリックイベント(予約ボタン・電話タップ)
- (可能なら)ヒートマップ:クリック分布、ファーストビューの見られ方
チェックポイント
- スマホで固定CTA(Web予約や電話などの予約ボタン)が常に表示されているか、もしくはすぐにわかる状態にあるか
- メニューが複雑で迷子になっていないか
- 予約システムが複雑で分かりにくくはないか
- 予約フォームで求める情報が多すぎないか
- 必要情報(予約方法、アクセス、駐車場の有無、時間など)が提供できているか
- 来院前の安心感につながる情報を提供できているか
原因(1):HPに人が来ていない(SEO/MEO/導線不足)
クリニックのHPからの予約が少ない原因が、そもそものHPへの流入不足なら、まず何より“入口”の設計を対策していくことが重要です。ここはSEO(検索)×MEO(マップ)×外部流入の着地で改善できます。
対策①:SEOでの「非指名検索」の増加を図る
HPにそもそも人が来ていない場合、まず考えるべきはHPへの流入を促すためのSEO対策になります。
前述しましたが、検索からの流入は、大きく分けて「指名検索」と「非指名検索」があります。
指名検索は「〇〇クリニック」のように、クリニック名をすでに知っている人が直接検索してサイトに訪れるケースです。中心は「すでに貴院を知っている人」、つまりリピーターによる予約のための検索が多くなります。
これに対して非指名検索は、「〇〇駅 内科」「〇〇市 インフルエンザ予防接種」「〇〇駅 コンサータ」など、クリニック名以外のキーワード検索で自院のページが検索結果に表示され、ユーザーがサイトに訪れるケースです。
新患の増加を図る場合には、この非指名検索からの流入が鍵になります。

非指名検索で狙うキーワードとしては、「地域+診療科名」「地域+症状」「地域+薬剤名」「地域+検査・処置名」など、クリニックが所在する地域を絡めた「地域+〇〇」での表示を狙っていきます。
今すぐできる対策
- GSC(Googleサーチコンソール)で「表示回数が多いのにクリックが少ない」非指名検索クエリ(ワード)を抽出
- そのクエリに対応する症状別/お悩み別ページを作成する
症状別ページの構成例
- 症状の概要
- 受診目安
- 検査/治療の流れ
- 費用・保険
- よくある質問
- CTA(Web予約/電話)
保険診療におけるSEO対策はこちらでも詳しく解説しています。
対策②MEOで負けている:Googleマップ→HP→予約の導線が弱い
SEO対策と同じかそれ以上に重要と言っても過言ではないのがMEO対策です。
MEO(Map Engine Optimization)とは、Googleマップ検索にて、自院の情報を上位表示させることによって集患を図る施策のことです。
最近は「マップで探す→比較→電話/予約」が当たり前となっており、特に競合が多い地区ではMEOが弱いと、そもそも候補にすら入らないことも起きます。
Googleビジネスプロフィール(Googleマップにおける自院を管理するシステム)で最低限整える項目
- 診療カテゴリ、診療時間、休診日(祝日含む)
- 院内・外観・スタッフなどの写真(安心材料)
- 投稿(休診・季節の案内など)
- 口コミ:依頼は規約に配慮しつつ、返信で患者体験を言語化
導線の考え方
- Googleビジネスプロフィールから「電話」「予約」「サイト」まで最短に
- HP側は「初診の方へ」や「診療科」ページで事前の迷いを減らす
保険診療におけるMEO対策はこちらでも詳しく解説しています。
対策③リスティング広告の活用
対策①では、検索エンジンからの流入を強化するという観点、対策②ではマップ検索からの流入を強化するという観点でお話をしてきました。
対策③では、リスティング広告を活用することで、対策①をさらに別角度から強化するという観点になります。
リスティング広告は、Googleなどで検索したときにスポンサー枠として表示される広告のことです。

SEOが中長期で自然な検索上位表示を狙っていくのに対し、リスティング広告は広告費用を使って即効的に検索上位の枠に表示する形になります。
これだけ聞くとリスティング広告の方がすぐに効果が出て良さそうに感じますが、次の点に注意が必要です。
- 広告を止めれば、その時点でHPへの流入も止まってしまう
- 競合が増えるほどクリック単価が上がり、採算が合いにくくなる
そのため、Web集患を図る上では、どちらか一方のみに頼るのではなく、中長期の資産になるSEO・MEOを土台にしつつ、短期で即効性のあるリスティング広告を補完的に併用するという総合的なアプローチがポイントになります。
原因(2):見られているのに予約につながっていない
次にあるのが、アクセスはあるのにHPからの予約が少ないケースです。この場合、現状を見ながら改善施策を考えていくのですが、よくあるポイントとしていくつかあります。
①予約導線が目立たない
まずは、HP内の予約導線が目立たない・分かりづらいケースです。
現在、ユーザーの多くはスマホから検索して予約をするため、パソコン画面上では分かりやすくても、スマホ画面で迷わない設計になっているかが特に重要です。
最優先は固定CTA(画面に固定表示されるWeb予約・電話ボタン)です。スマホでスクロールしても常に「Web予約」「電話」が見えるようにするだけで、予約数が伸びるケースは多いです。
固定CTAで守るルール
- Web予約/電話ボタンを固定表示する(画面下部バーなど)
- TOPページだけでなく、どの下層ページでも消えないようにする
- タップ領域は十分な大きさを確保する(小さすぎると押せません)

②必要情報が散らばっている
次に必要情報がどこにあるのか分かやすい設計になっているかもポイントです。
予約直前に確認されやすいのは、だいたい次の5つです。これが見つからないと、患者は安心できずに予約につながりにくいといったことになります。
予約前に確認される情報5項目
- 診療時間・休診日(当日行けるか)
- アクセス・駐車場(迷わないか)
- 費用・保険(どれくらいかかるか)
- 医師/院内写真(安心できるか)
- 当日の流れ(何を持っていくか?どれくらいの時間待つか?)
対策
- 予約ページに掲載可能であれば情報を載せて提供する
- 「初診の方へ」ページを強化し、1ページで確認が完結するようにする
③表示が遅い・見づらい
表示速度の遅さは離脱を生みます。特に、保険診療の場合、発熱などですぐに情報を確認、予約したいのに、サイト表示が遅ければユーザーは他へ流れてしまいます。
また、サイト表示の遅さはユーザー離脱率悪化につながるのに加えて、SEO視点でのサイト評価の悪化にもつながるため、Googleが提供しているPageSpeed Insightsで現状を把握し、サイトスピードが遅い場合は改善して、ユーザー体験の向上を図ることが重要です。
よく効く改善例(ただし専門的なため業者への確認が必要)
- 掲載画像の圧縮による最適化(画像容量を下げる)
- 不要な外部スクリプトを整理(計測タグの入れ過ぎに注意)
- WordPressで作成したサイトの場合、不要なプラグインは削除する
- 導線をわかりやすくすることで、不要なページ遷移を減らす
スマホ導線チェック表(固定CTA/電話リンク)
| チェック項目 | OKの目安 | ありがちなNG |
|---|---|---|
| 固定CTA(ボタン) | 常に表示 | TOP以外の下層ページに移ると消える |
| CTA(ボタン)文言 | 「Web予約」「電話」など統一 | ページで名称がバラバラ |
| CTA(ボタン)色 | 1〜2色で統一 | 重要度が伝わらない |
| タップ領域 | 押しやすいサイズ | 小さく誤タップが多い |
| 電話リンク | tel:で即発信 | 番号が画像でコピー不可 |
原因(3):予約フォームで離脱している
予約クリックはあるのに予約完了が少ない場合、予約フォーム部分に問題が生じていることが多いです。
予約フォームにおいては、ユーザーの手間・不安をできるだけ減らしていきます。
①入力項目が多い:最小項目で“仮予約”→詳細確認へ
フォームは短く、シンプルなほど強いです。
初診の場合、できるだけ取りこぼしを減らすことを狙うのであれば、最初に患者から詳細な情報の入力を求めるのではなく、まずは最小項目で「仮予約」を取り切り、詳細はWeb問診や来院時確認へ回すのが堅実です。
最小項目の目安
- 氏名
- 連絡先(電話 or メール)
- 希望日時(第1〜第2希望など)
- 初診/再診
②不安で止まる:個人情報・費用・当日の流れを先出し
入力前の不安を減らしてあげることも患者の予約へのハードルを下げる面ではポイントになります。
フォーム直前に「安心情報」を置くと完了率が上がりやすいです。
- キャンセル方法(いつまで?どこから?)
- 保険適用範囲・費用範囲(可能な範囲で、誤解のない表現で)
- 来院時の持ち物・所要時間
- 入力した情報の扱い(目的・保管・第三者提供の有無)
③エラー/操作性:スマホでの入力ストレスを減らす
エラーは「面倒」より強い離脱要因です。住所等詳細な情報を予約時に求める場合については、次のような小さな改善が効きます。
- 英数字は半角でも全角でも入力OKの仕様にする(全角での入力がエラーになる仕様は避ける)
- 郵便番号からの住所自動補完(住所を求める場合)
- カレンダーUI(表示デザイン)をスマホ向けに最適化する
- エラーメッセージは「どこを・どう直すか」まで具体的に表示する
- 代替導線(電話/LINE)を常に提示しておく
個人情報・プライバシーへの配慮(注意)
- SSL(https)未対応は信頼を大きく損ないます(自院のサイトURLの冒頭がhttps〜で始まる形になっていればOKです/http〜の場合は要対応)
- フォーム直前に「利用目的・同意文」を明記します
- 必要以上の個人情報を“最初から”集めない(最小化し、詳細はWeb問診へ)
※運用・法務の観点は、院内ルールや関係法令に沿ってご確認ください。
フォーム離脱を防ぐチェックリスト
- 必須項目は最小化できている
- エラー表示が分かりやすい
- 予約完了までのステップ数が多すぎない
- 空き枠が見つけやすい(探すストレスがない)
- 代替導線(電話/LINE/問い合わせ)がわかりやすい
原因(4):信頼不足で比較負けしている(E-E-A-Tと不安解消)
導線やフォームを直しても「最後に不安が残る」と予約されません。
ここで効くのが、「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」に沿った情報整備です。
E-E-A-TはGoogleの検索品質評価の考え方で、医療のように生命・健康に関わるYMYL(Your Money or Your Life)領域では特に重視されます。つまり、信頼の整備は「予約直前の不安解消」と「SEO評価」の両方に効果的です。
①院長・医師の情報が少ない
医師紹介は「長文の経歴」よりも、患者さんが知りたいことの言語化が大事です。
- 専門領域、経歴、所属学会、資格(事実ベースで記載する)
- 診療方針、患者対応の姿勢(具体例を交えて)
- 監修表記・更新日の明記(「今も責任を持って運営している」状態を見せる)
なお、「No.1」「必ず治る」などの表現は、医療広告ガイドラインで禁止される比較優良広告・虚偽広告に該当するおそれがあります。事実と方針の積み上げで信頼をつくっていきます。
②料金・保険・当日の流れが不透明
予約の直前で止まる不安は、ほぼこの3つです。
- 保険診療/自由診療の違いと保険診療の適用や費用目安
- 初診時の所要時間、持ち物、来院手順
- よくある質問(キャンセル、支払い、再診の流れ)
「初診の方へ」ページにまとめ、CTA(予約ボタン等)の近くなど分かりやすい場所に置くことで、ユーザーにとって親切な設計となります。
③頂いた口コミ・評価を放置している
患者から頂いた口コミは何より大切にすることが重要です。
全ての口コミに返信をすることは当然ながら、できればテンプレート的な返信ではなく、個々のコメントにあった適切な返信を行うことが重要です。
特にネガティブな評価を頂いた際には、事実確認をした上で、事実であれば、まずは評価をしていただいたことに感謝を述べた上で、しっかりと謝罪をし、今後の改善に生かしていく姿勢を伝えることが大事です。
補足:AI検索(LLMO)時代の視点
近年は、GoogleのAIによる概要(AI Overviews)やChatGPTなどのAI検索を経由してクリニックが探されるケースも増えています。AIに正しく引用・紹介されるためにも、FAQの整備、運営者・監修者情報の明確化、診療内容や費用といった一次情報の充実は、従来のSEOと共通して重要性が増しています。本記事で挙げた対策は、こうしたAI検索対策(LLMO)の土台にもなります。
よくある質問(FAQ)
Q1: HPのアクセスはあるのに予約が増えません。最初にどうすべき?
A: 大きく分けると、①「そもそもサイトに人が来ているか」と②「人は来ているのに予約が少ないか」2つに分解ができますので、まずはGoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソール等を活用して自院の現状がどちらなのかを把握した上で、対策を行うことが重要です。
Q2: 予約ボタンはどこに置くのが正解ですか?
A: スマホ前提で 各ページの上部または下部に固定で設置すること が基本です。どのページに移動しても消えないようにします。
Q3: 予約フォームの項目はどこまで減らして大丈夫?
A: 最小は 氏名・連絡先・希望日時・初診/再診 が目安です。取りこぼしを減らしたい場合は、詳細に潰てはWeb問診や来院時確認へ回す設計が堅実ではあります。
Q4: Web予約枠が埋まってしまい、結局電話予約ばかりです。
A: 初診Web枠を固定で確保し、院内予約が先に埋めない運用へ変更します。加えて、キャンセル枠の再開放ルールも決めると改善が安定します。
Q5: MEO(Googleマップ)とHP予約はどうつなげるべき?
A: Googleビジネスプロフィールの情報整備に加え、プロフィールから電話/予約への最短導線を作ります。HP側は初診導線を強化し、迷い(不安)を減らす情報が提供できれば予約につながりやすくなります。
まとめ:クリニックのHPからの予約が少ない場合のポイント
HPからの予約が少ないことを改善するには、まずHP訪問前の部分(流入設計)に問題があるのか、それとも訪問後の部分に問題があるのかを分解するのがポイントになります。ここを押さえた上でさらに原因を深掘りし、対策を図っていくことでHPからの集患を改善することが図れます。
参考(外部):

執筆者
濱谷 洸旭
クリニックWeb総合研究所代表/株式会社trendPlus CEO
2017年にWeb広告事業にて独立。金融Webメディアを立ち上げ、開設から半年で月間18万PV達成。その後、個人事業から上場プライム企業に至るまで数十社のWeb集客を支援。多くのビッグワードで上位を獲得。2019年に法人化し、株式会社trendPlusを設立。
自身が中小企業診断士の資格を保有しており、専門的なWeb集客の面と総合的な経営面でのサポートができることを強みに持ち、とにかく「結果(成果)」にこだわる支援を行うことを重視している。
2026年に自身のこれまでの知識・経験を活かし、保険診療のクリニック集患に特化した支援サービスである「クリニックWeb総合研究所」を立ち上げる。



